- 2022/04/11 掲載
為替の円安、関西経済全体としてプラス面が大きい=日銀大阪支店長
関西は電機や一般機械などの輸出産業や、海外で現地生産を行う産業の比重が高く、円安はこれら産業の収益拡大につながると指摘。輸出企業の株価上昇を通じて個人消費の下支えにもなるとした。一方、円安の影響は経済主体や企業の業種・規模によってばらつきがあることには注意が必要とも語った。
これまで国際商品市況は幅広い品目で上昇してきたが、ウクライナ情勢を受けて原油や天然ガス、一部金属等が一段と上昇していると指摘。関西でもエネルギー関連企業や素材メーカー、価格交渉力のある企業では、原材料費の上昇分の価格転嫁を進めていると述べた。
もっとも、中小企業や非製造業では価格転嫁が難しい企業が少なくなく、価格転嫁が進まない場合には企業収益を下押しし、実質所得の低下などを通じて個人消費を下押す可能性があると語った。
<ウクライナ情勢、極めて不確実性高い>
高口支店長は、ウクライナ情勢に関し「極めて不確実性の高い状況が続いている」と述べた。関西の輸出入全体に占めるロシアおよびウクライナの割合はいずれも全体の1%未満であり、「直接的な影響は限定的だ」と語った。
ただ、資源価格の上昇などが間接的に経済へ影響を及ぼす恐れもあり、今後の動向は注視していく必要があるとした。
大阪支店は同日発表した地域経済報告(さくらリポート)で、近畿地域の景気について「全体として持ち直し基調にある」とし、前回1月の「全体として持ち直している」から判断を引き下げた。先行きはコロナ感染症や供給制約、原材料価格の上昇、地政学リスクなどの動向に注視が必要とした。
(杉山健太郎)
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