- 2022/05/12 掲載
NY市場サマリー(11日)ナスダック大幅安、ドル下落、長期債利回り低下
米労働省が11日に発表した4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比で0.3%上昇と、伸びは昨年8月以来最小。前年同月比では8.3%上昇と1981年12月以来の高水準だった3月の8.5%から減速した。
ドル指数は一時103.37と4営業日ぶりの安値を付けていたが、米CPIの発表を受け104.13まで上昇。9日に付けた20年ぶりの高値104.19に接近した。もっとも値動きは不安定で、終盤は0.029%安の103.89となった。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、今後数カ月でサプライチェーン(供給網)の問題緩和や需要減少が見込まれる中、インフレ圧力は最終的に一時的なものになるとみなすことが適切と指摘。「インフレ期待が全体的に十分固定されていることが問題だ。トレーダーは最終的にこれを見抜き、現在のトレンドはやや反転するだろう」と述べた。
ユーロ/ドルは0.07%安の1.052ドル。
<債券> 米金融・債券市場では長期国債利回りが低下した。4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は減速したものの、米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ抑制策が景気後退を引き起こす可能性があるとの懸念を払拭するには十分ではなかった。
米労働省が発表した4月のCPI(季節調整済み)は前年同月比8.3%上昇。エネルギー価格の高騰が一服したことで3月の8.5%から減速した。減速は昨年8月以来初めて。
ただ、アナリスト予想の8.1%は上回った。
10年債利回りは5.9ベーシスポイント(bp)低下の2.934%となった。
一方、2年債利回りは2.2bp上昇し2.645%。一時約3年ぶりの高水準となる2.858%に達する場面があった。
<株式> 米国株式市場は下落。とりわけナスダック総合は3%を超える下げとなった。朝方発表された米消費者物価指数(CPI)の結果は、米利上げを巡る投資家の懸念を払拭するには至らなかった。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル軟化に伴う割安感を背景に買われ、3営業日ぶりに反発した。
米労働省が朝方発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.3%上昇と、伸びは8カ月ぶりに鈍化したものの、市場予想(8.1%上昇=ロイター調べ)を上回った。これを受けて、外国為替市場ではドルが対ユーロで急伸したため、ドル建てで取引される金塊の割高感を嫌気した売りが膨らみ、一時1830ドル台まで下落。ただ、ドルが対ユーロで軟化すると、金相場も素早く切り返し、プラス圏に浮上した。
市場では、CPIの内容から物価上昇はピークに達し、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ姿勢をさらに強めるものではないとの見方が一部で浮上。一方で、インフレ高止まりが長期化するとの懸念も根強く、ヘッジ的な金の買いが相場を支えたもようだ。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ロシア産エネルギーの供給懸念を受けて買われ、3営業日ぶりに反発した。
ロイターによると、ウクライナ当局による主要中継ルートの使用停止のため、ロシア産天然ガスのウクライナ経由での欧州への輸送量が11日、約25%減少した。ロシアのウクライナ侵攻開始後、支障が生じたのは初めて。欧州連合(EU)による対ロシア追加経済制裁提案をめぐる不透明感も加わり、供給逼迫(ひっぱく)に拍車が掛かるとの懸念が強まり、相場は一時106.44ドルまで上昇した。
朝方は、ドル高・ユーロ安に振れる場面で一時的に売り込まれたが、安値圏では旺盛な買い戻しが見られた。厳格な新型コロナウイルス対策を続ける中国が、景気刺激策に乗り出すとの観測も支援要因だった。
ドル/円 NY終値 129.96/129.99
始値 129.83
高値 130.81
安値 129.46
ユーロ/ドル NY終値 1.0511/1.0515
始値 1.0546
高値 1.0576
安値 1.0503
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 84*16.50 3.0447%
前営業日終値 83*02.00 3.1290%
10年債(指標銘柄) 17時05分 91*04.50 2.9246%
前営業日終値 90*19.00 2.9930%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.25 2.8978%
前営業日終値 99*07.25 2.9180%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.00 2.6474%
前営業日終値 99*24.50 2.6230%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 31834.11 -326.63 -1.02
前営業日終値 32160.74
ナスダック総合 11364.24 -373.44 -3.18
前営業日終値 11737.67
S&P総合500種 3935.18 -65.87 -1.65
前営業日終値 4001.05
COMEX金 6月限 1853.7 +12.7
前営業日終値 1841.0
COMEX銀 7月限 2157.5 +15.1
前営業日終値 2142.4
北海ブレント 7月限 107.51 +5.05
前営業日終値 102.46
米WTI先物 6月限 105.71 +5.95
前営業日終値 99.76
CRB商品指数 304.8936 +7.8016
前営業日終値 297.0920
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