- 2022/05/12 掲載
鉄鋼大手、回復鮮明に=値上げで大幅黒字―22年3月期
鉄鋼大手3社の2022年3月期連結決算が11日、出そろった。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ自動車などの需要が回復する中で、原材料価格の上昇を背景に鋼材の値上げを進め、収益性が改善。日本製鉄とJFEホールディングス(HD)の純損益が3期ぶりに黒字転換するなど、回復基調が鮮明となった。
日鉄は21年夏のトヨタ自動車との価格交渉で、1トン当たり2万円程度の値上げを獲得したことなどから、同社の平均鋼材価格は11万円台後半と前期から3万円強上昇した。純損益は経営統合で発足した12年以降で最高益を記録した。
JFEHDも値上げで利幅が改善し、純損益はリーマン・ショック後で最高を達成した。神戸製鋼所も純利益が前期比約2.6倍と、大幅な増益だった。
一方、23年3月期の業績予想は日鉄とJFEHDが未定とした。「ウクライナ情勢の緊迫で世界経済が不確実性を増しており、石炭価格も乱高下している。現時点で合理的な算定は困難だ」(寺畑雅史JFEHD副社長)という。
【時事通信社】
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