• 2022/06/07 掲載

脱炭素は素材から=鉄や樹脂、供給開始へ

時事通信社

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2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(脱炭素)」実現のため、製造業の排出する二酸化炭素(CO2)の7割超を占める素材産業が取り組みを進めている。自動車メーカーが取引先にもCO2削減を求める中、「顧客の排出削減に寄与し、日本の国際競争力を支える」(日本製鉄の橋本英二社長)と意気込む。

製造業で最も多くCO2を排出している鉄鋼業では、日本製鉄が23年度から脱炭素鋼の供給を開始する。太陽光などで発電した「グリーン電力」により、電炉で年70万トンの鋼材を生産する。既に顧客からの引き合いがあるという。

化学産業では、三菱ケミカルが自動車部品などに使う樹脂「MMAモノマー」に、植物由来の原料を採用する。製造工程で出るCO2より原料の植物が吸収する量が多く、排出量が実質的にゼロになる仕組みだ。23年に試験生産を開始し、26年の商用化を目指す。

自動車関連以外ではセメントも排出量が多い。大林組は木材から作った材料を混ぜることで、コンクリートの内部にCO2を固定する技術を、日本製紙などと共同開発した。排出量が実質9割減るといい、幅広い製品への適用を検討する。

ただ、脱炭素のための抜本的な技術開発はまだ途上だ。エネルギーや産業用に必要となる大量の水素の安定供給などに向け、「連続かつ破壊的にイノベーションを起こす必要がある」(石油化学工業協会の和賀昌之会長)という。

また、鉄鋼、化学、セメント、製紙の4産業だけで、技術開発や設備投資に計24兆円が必要とみられる。支援を求める業界に対し、政府は国債発行などで対応する姿勢を示しており、国民負担の増加が懸念される。

【時事通信社】 〔写真説明〕大林組が開発したCO2を内部に固定したコンクリート(右)と、普通のコンクリート(大林組提供)

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