- 2022/06/07 掲載
欧州中銀、量的緩和終了へ=9日に理事会開催
【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は9日、金融政策を決める定例理事会をアムステルダムで開く。物価高騰を抑えるため、ユーロ圏加盟国の国債などを買い入れる量的緩和策の終了を決め、金融引き締めに転じる見通し。7月には11年ぶりとなる利上げに踏み切る公算が大きい。
米連邦準備制度理事会(FRB)や英イングランド銀行は既に、新型コロナウイルス感染拡大後に導入した緩和策を終了し、利上げなど金融政策の正常化に着手している。日銀は緩和を続ける構えだが、ECBも引き締めに転じれば、ドルに対してだけでなく対ユーロでも円安が加速する可能性が高い。
ラガルドECB総裁は5月下旬、予想を上回るインフレに強い危機感を示した上で「量的緩和策を7~9月の非常に早い時期に終了させる」と表明し、7月に利上げに踏み切る可能性を強く示唆した。
ECBは2015年、物価下落に歯止めをかけるため、初めて量的緩和策を導入。18年末にいったん終了した後、19年11月に再開し、コロナ対策として20年3月以降に国債買い入れなどを大幅拡大した。金融機関が余剰資金をECBに預ける際に適用する中銀預入金利は、19年9月以降、過去最低のマイナス0.5%で据え置かれている。
ラガルド総裁は、中銀預入金利についても段階的に引き上げ、今年9月末までのマイナス金利脱却に意欲を示している。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響でユーロ圏の物価は高騰。5月の消費者物価指数上昇率は前年同月比8.1%と過去最高を更新し、エネルギーや食品を除いたコア指数も3.8%と、ECBが目標に掲げる2%を大きく上回っている。
【時事通信社】
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