- 2022/06/23 掲載
フジテック社長が退任=不審取引、物言う株主が反対
エレベーター大手のフジテックは23日、創業家出身の内山高一社長(70)の後任に岡田隆夫副社長(68)が昇格する人事を発表した。内山氏は代表取締役を退任し、会長に就任した。ともに同日付。内山氏をめぐっては、会社側と不審な取引があるとして、「物言う株主」で香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが再任反対を他の株主に呼び掛けていた。
フジテックは23日、滋賀県彦根市の本社で定時株主総会を開催。総会直前に内山氏の取締役再任案を会社側が撤回する異例の展開を見せた。
オアシスは、フジテック株を1割保有する大株主。オアシスは、フジテックと内山家との間で疑わしい取引があり、同社が内山家の私的利用のために東京都内に超高級マンションを取得した疑惑があるなどと主張していた。
フジテックは、法的にも企業統治上も問題ないとの見解を公表。第三者委員会による追加調査の方針も示した。同社は、追加調査で問題がないと確認されれば、内山氏の取締役再任を改めて株主総会に諮る考え。
一方、オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者は23日の総会後にオンライン形式で開いた記者会見で、「株主に対する説明責任を逃れるあからさまな試みだ」と批判。内山氏にフジテックの経営から完全に身を引くことを求めた。
【時事通信社】 〔写真説明〕株主総会が開かれたフジテック本社=23日、滋賀県彦根市
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