- 2022/10/21 掲載
背景に過剰な品質要求=国内製造業に教訓―三菱電機不正
三菱電機の検査不正問題は、品質が確保されていれば顧客との約束を守らなくても構わないという企業体質の根深さを浮き彫りにした。ただ、顧客軽視の背景について、調査委員会の梅津光弘委員は「一番の根本に日本の会社自体の品質(に対する過度な要求)があり、現場の人々が疲弊してきた」と分析する。近年、同様の不正が相次ぐ国内の製造業全体にも教訓となりそうだ。
「過去の役員の中で不正の認識を強く持った上で隠そうとした人はあまりいなかったのではないか」。経営陣の責任を検証したガバナンスレビュー委員会の山口利昭委員長は、こう指摘した。柵山正樹前会長も生産現場の課長時代に不正に直接関与していたが、そもそも不正とは認識しておらず、委員会も法的責任を認めなかった。
不正の大半は顧客との契約で取り決めた検査方法を無断で変更したり省いたりしたものだった。梅津氏は、顧客の理解を得る努力を怠るなどコミュニケーションが断絶していたことは大きな課題だと訴える一方、「日本の企業、社会の体質まで掘り下げることもできる案件だ」と警鐘を鳴らした。
【時事通信社】
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