- 2022/10/23 掲載
「免疫・脳・腸」に注力=健康事業で海外展開―磯崎キリンHD社長
キリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長は22日までにインタビューに応じ、健康分野の「免疫、脳機能、腸内環境の3領域で戦う」と述べ、ビール類市場が飽和状態にある中、成長が期待できるヘルスサイエンス事業に重点的に投資する方針を示した。企業の合併・買収(M&A)も視野に「海外に打って出る」と意欲を見せた。
同社は、免疫機能の維持をうたう独自素材「プラズマ乳酸菌」の販売を拡大する方針を掲げている。磯崎氏は「自社グループだけでなく、要望があり、条件が合えば(外に)出していく」として、国内外の食品メーカーなどへ積極的に販売する考えを表明した。
さらに、記憶力を向上させる可能性がある体内成分「シチコリン」、腸内環境を改善すると言われる「ヒトミルクオリゴ糖」など、「(キリングループには)役者がそろっている」と指摘。ヒトミルクオリゴ糖は年内に完成予定のタイ工場で量産する計画だ。
また、希少疾患向け医薬品開発にも取り組み、「何万人に1人の病気の薬はわれわれでなければやらない」と使命感を強調。今後は「(健康領域で)M&Aもあると思う」と見通しを語った。
主力の酒類事業については、海外でのM&Aで「大手メーカーの案件は出尽くした。あるとしたらクラフトビール」と指摘。市場縮小が続く清涼飲料の自動販売機事業については、雇用確保に配慮しつつ、「業界全体で、1~2年内に抜本的構造改革が必要だ」と話した。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるキリンホールディングスの磯崎功典社長=20日、東京都中野区の同本社 〔写真説明〕インタビューに答えるキリンホールディングスの磯崎功典社長=20日、東京都中野区の同本社
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