• 2022/10/24 掲載

政府・日銀「市場変動注視」明記へ、景気後退懸念を共有=経済対策原案

ロイター

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山口貴也

[東京 24日 ロイター] - 政府は、近く閣議決定する総合経済対策で、世界的な景気後退懸念を念頭に「日銀と経済情勢に関する認識を共有する」と明記する方針だ。政府・日銀が市場変動の影響を注視する考えも新たに示し、物価安定2%目標の持続的・安定的な実現に向け足並みをそろえる。ロイターが案文を確認した。

新たな経済対策では、日銀と「経済情勢に関する認識を共有し、財政政策と金融政策の適切なポリシーミックスのもとで緊密に連携する」との基本姿勢を共有する。日銀に対しては「金融資本市場の変動の影響を十分に注視しつつ、物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け適切な金融政策運営を行うことを期待する」との考えを示す。

対策策定に先立つ6月の経済・財政運営の指針(骨太方針)では「経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する」としていた。急ピッチな円安進行に対する警戒感の表れとみられる。

経済対策では、ロシアによるウクライナ侵略を背景とする原材料価格の上昇に加え、円安に伴うエネルギーや食品価格高騰で「実質所得の低下や消費者マインドの低下を通じた消費への影響や、企業収益のさらなる下押しによる設備投資への影響が懸念される」との認識を示す。

米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が利上げを加速させ、中国では、不動産市場の低迷やゼロコロナ政策による景気下振れが懸念される。経済対策では「世界的な景気後退懸念が高まっている」とも明記し、世界経済の減速リスクを視野に入れ、経済情勢の変化に切れ目なく対応する姿を示す。

対策は、1)物価高騰への対応と賃上げ加速、2)円安を生かした稼ぐ力の強化、3)新しい資本主義の加速、4)国民の安全・安心の確保――を柱とする。

経済対策の裏付けとなる2022年度2次補正予算の早期編成と併せ、「現下の金利状況を生かし、財政投融資の手法を積極的に活用するとともに、規制・制度改革、税制改正といったあらゆる政策手段を活用した総合的な対策とする」との考えも打ち出す。

対策規模に関しては現時点で明記されていない。自民党の新藤義孝政調会長代行は23日のNHK番組で、潜在的な供給力と需要の差を示す15兆円規模のGDP(国内総生産)ギャップを「埋めて終わりではない」としており、今後規模の積み上げを図るとみられる。

新たな経済対策は28日の閣議決定を想定する。日銀が27、28日に実施する金融政策決定会合では、現行の金融政策を維持するとの見方が市場では多い。

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