- 2022/11/03 掲載
米FRBが0.75%利上げ、ペース鈍化示唆 「累積効果を考慮」
声明では、FRBの急速な利上げの影響がまだ浸透過程にある点に留意し、政策金利の水準を「長期的なインフレ率の2%回帰に向け、十分制約的な水準」に設定することを意図するとの新たな文言が加わった。
FRBは「進行中の利上げは適切」とする一方、今後の利上げペース決定に当たっては、これまでの金融引き締めの累積や政策効果発現までのタイムラグ、経済・金融動向を考慮する方針を示した。
この文言は、FRBの引き締め政策が米および世界経済に及ぼす影響、大幅利上げ継続が金融システムに圧力となり景気後退を誘発する危険性を巡り、幅広い議論が起きていることを裏付けている。
FRBはインフレ抑制に向け「迅速に」利上げを行ってきたが、現在は「フロントローディング」ではなく「微調整」という、より微妙な段階に入っている。
FRBは3月以降、過去6回のFOMCで利上げを決定しており、FF金利は2008年初以来の高水準となった。
声明では、引き続き「インフレリスクを注視している」とし、一段利上げの可能性を示唆した。また、経済は緩やかに成長しており、雇用の伸びは依然として堅調で失業率も低いと指摘した。
パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「政策金利の『最終水準』はこれまでの予想よりも高くなる可能性が高い」と指摘しながらも、インフレ抑制に必要な金利水準には「大きな不確実性」があると述べた。
FRBが引き締めの「フロントローディング」段階を終えたことを示唆したことは、米株・債券市場の幅広い上昇につながった。また、内外金利差の拡大を受けて年初来急騰していたドルも下落した。
声明発表の直後、S&P総合500種はそれまでの下落を取り戻し、約0.5%上昇した。0.8%近く下げていたナスダック総合も約0.3%上昇に転じた。
米国債の利回りは大幅に低下。FRBの政策期待に最も敏感な2年債利回りは10ベーシスポイント(bp)以上低下した。
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