- 2022/11/11 掲載
米為替報告書、操作国認定せず 日中韓など「監視」
ただ、スイスの為替慣行について今後も注視するとしたほか、為替政策を緊密に注視する「監視リスト」に日中韓や台湾など7カ国・地域を掲載した。
財務省は、確認された外国為替市場への介入の大半は通貨高誘導を目的としたもので、通貨安誘導ではなかったと指摘。新興国や発展途上国が現在の世界経済の状況に対応するためには、為替介入を含むさまざまなアプローチが必要になる可能性があるとの認識も示した。
財務省は今回の報告書で、日本が1998年以来初めて円安を食い止めるために実施した為替介入にも言及。「自由な取引が行われる規模が大きい為替市場において、介入は事前に適切な協議を行った上で、極めて例外的な状況のみに実施されるべきだと財務省は確信している」とし、こうした措置はまれにしか行うべきではないとの見解を強調した
財務省当局者は記者団に対し、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めがピークに達し、他の中央銀行がFRBに追い付けば、ドル高が緩和し始める可能性があるとの見方を示した。
イエレン財務長官は声明で「ロシアによるウクライナ侵攻で食料、肥料、エネルギー価格が上昇し、インフレが世界的に上昇したほか、食料不安も増大したが、侵攻前から新型コロナウイルス感染拡大により世界経済は需給不均衡に直面していた」とし、こうした状況への各国の対応が為替相場に影響を及ぼす可能性があると指摘。「財務省は世界経済の逆風に対する途上国や新興国によるさまざまなアプローチが、特定の状況下で正当化される可能性があると認識している」とした。
<為替操作国認定なし、日中韓など「監視リスト」>
財務省は今回の報告書で、2015年に制定された米国の貿易法の下でスイスが為替操作の基準を再び上回ったと指摘。ただ、スイスを含め他のどの国も為替操作国には認定しなかった。
為替政策を緊密に注視する「監視リスト」には中国、日本、韓国、ドイツ、マレーシア、シンガポール、台湾を掲載。ベトナムは為替慣行を巡る米国の懸念への対応が十分だったとして、監視リストから除外された。インド、イタリア、メキシコ、タイも除外された。
中国については、為替介入を公表していないことや、為替レートの仕組みの主要な部分について透明性を欠けていることなどを再び指摘した。
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