- 2022/11/11 掲載
「日本のヌーボー」も風物詩に=仏ボージョレ高騰で関心
今年収穫した国産ブドウでつくる「日本ワインのヌーボー(新酒)」への関心が高まっている。本家のフランス産ボージョレ・ヌーボーが輸送費の上昇や円安で高騰する中、国内メーカーは日本ワインの新酒販売を拡大。市場規模はまだ小さいが「日本のヌーボーを楽しむ文化が風物詩になるかも」(大手メーカー)と期待は大きい。
毎年秋に解禁されるボージョレ・ヌーボー。知名度の高さとは裏腹に輸入量は年々減少し、2012年の74万ケース(1ケース12本)から21年は29万ケースに落ち込んだ。今年の解禁は17日午前0時だが、価格を2倍に引き上げる業者もあり、輸入量は「前年の半分に満たない」(同)との予測も出ている。
これに対し、メルシャンは2日、山梨、福島県産ブドウを使った新酒「甲州&シャルドネ
2022」の販売を開始。今年の日本ワインの新酒販売量は、前年の3倍以上の約1400ケースに増える見通しだ。3日から「マスカット・ベーリーA
ロゼ
2022」など新酒2種を発売したサントリーも、約9000ケースと倍増を見込む。
日比谷公園(東京)で3日、3年ぶりに開かれた「山梨ヌーボーまつり」には3000人ほどが来場した。参加したサントリーの担当者は「新酒を心待ちにする方が増えた」と手応えを語る。
日本の気候はかつてワイン用ブドウには不向きとされていたが、品種改良などの結果、今では世界的に評価されるワインも多い。メルシャンの安蔵光弘ゼネラル・マネージャーは「日本のヌーボーを試してもらい、レベルが上がっている日本ワインの良さを感じてほしい」と話している。
【時事通信社】 〔写真説明〕メルシャンが販売を始めた日本ワインの新酒=8日、東京都中野区 〔写真説明〕「山梨ヌーボーまつり」で、サントリーの日本ワイン新酒を注ぐ同社社員=3日、東京都千代田区
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