AI人材不足も……教育機関に課題は多い
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 教授 生野壮一郎氏は、「いま日本に足りない点は、まずトライしてみるという姿勢です。日本は研究開発に完璧を求めすぎており、それがイノベーションの足かせになっています。これは日本の美徳とも言えますが、CESにおける諸外国の展示ブースからは、とにかく手を動かしてやってみるという姿勢をひしひしと感じられました」と語る。
マインドに課題があるだけでなく、AI人材の不足という深刻な課題を抱える日本は、このままでは諸外国との差は開くばかりだ。だからこそ“教育”が重要になるが、日本では「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育」があまり重視されてこなかった歴史がある。そうした教育方針は見直されつつあるが、改善すべき点は多い。同大学 コンピュータサイエンス学部 専任講師の金光永煥氏は次のように語る。
「米国の大学の多くは、Google Cloud Platform(GCP)やMicrosoft Azureといったクラウドが学生でも“無制限”に使える“実習環境”が用意されています。一方、一部の国立大学を除き、日本の大学は資金不足により十分な環境が用意できていません。利用時間や料金など制約のある環境では、十分な“実習時間”がとれず、一定の枠内におさまってしまう研究が増え、イノベーションにつながるスケールの大きな研究にトライする姿勢も生まれてこないという問題があります」(金光氏)
このような課題を抱える大学が多い中、東京工科大学では学生や研究者が思う存分にコンピューティングパワーを利用した研究ができる環境が用意されている。東京工科大学はいかにしてコスト面の課題を調整し、充実した研究環境を整えたのか。その秘密に迫る。
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