理系出身者3割、日本特有のAI/ディープラーニング活用の課題
米国や中国などのAI先進国と比較して、日本のAI活用は後れていると言われる。こうした危機感を背景に、2017年に設立されたのが日本ディープラーニング協会(JDLA)だ。JDLAは、ディープラーニングを中心とする技術により、日本の産業競争力向上を目指すことを設立目的とする産業団体で、ディープラーニングを事業の核とする企業および有識者が中心となって、産業活用促進、人材育成、公的機関や産業への提言、国際連携、社会との対話 など、産業の健全な発展のために必要な活動を行っている。JDLA 理事 事務局長の岡田隆太朗氏は、日本企業が抱える課題について、「AIやディープラーニングでどのような課題を解決できるのか、ビジネスでどう活用すれば良いのかを理解できていない企業が多いです。したがって、成果を出すためにはAI/ディープラーニングを正しく理解することから始めるべきです」と語る。
一方、エヌビディア エンタープライズマーケティング 本部長の堀内朗氏も、日本特有の事情を次のように述べる。
「韓国やドイツは理系出身者が5~6割ですが、日本は3割程度です。この状況は直近14~15年変わっていません。これは良い悪いではなく、日本のユニークな点であり、だからこそAIやディープラーニングを理解した人材を育成し、約7割を占める文系出身のビジネスパーソンとエンジニアの架け橋となる人材を増やすことができれば、この特徴が日本の強みに変わると思います」(堀内氏)
それでは、具体的にエンジニアとビジネス部門の架け橋となる人材には、どのようなリテラシーが求められるのだろうか。ここからは、全社をあげてAI/ディープラーニング人材の育成に取り組むコクヨの事例を紹介しながら、AI/ディープラーニング人材に求められる知識や能力を解説する。
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