そもそも生成AIとは? 従来のAIと比べて何がスゴいのか
以前からディープラーニングによる生成モデルは研究されていたが、昨年から画像生成の精度が格段に向上したこと、さらに言語生成においてOpenAIのChatGPTが脚光を浴びるようになり一気に生成AIに火が付いた。
松尾氏は生成AIについて次のように説明する。
「ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は、2017年にグーグルの研究者らが提案したTransformerという自然言語の機械学習モデルをベースにしています。また画像生成も2015年ぐらいに提案されたDiffusion Model(拡散モデル)が使われています。研究コミュニティの間では、なぜいまになって話題になるのか? という思いもありますが、やはりChatGPTの登場が契機になったことは間違いないでしょう」(松尾氏)
特に最近は生成AIの重要技術として「基盤モデル」といった表現もあり、汎用(はんよう)的な言語モデルを利用し、用途に合わせてチューニングする動きが加速している。
そんなトレンドが起きている理由は、もともと人工知能の研究にとって本質的な問題だからだ。人は目や耳や体からモーダル情報を時々刻々と受け取り、背後の構造や知識を学習し、常に次の予測を行っている。同様に文章生成も、次に現れる単語を予測するためにTransformerを使い、自己教師あり学習で事前学習を行う。
もう1つ重要な点はスケール則だ。大規模モデルになるほど精度が向上するのは、従来の機械学習や統計の常識では考えられなかった。パラメータ数は適切にすべきで、とにかく大規模にすれば良いということに違和感があるが、ある大きさになると相転移のようにパッと精度が向上する興味深い現象が起きている。このような発見により、いま生成AIによるパラダイムシフトが起きているのだ。
以降では、多様な場面に広がる生成AIの威力と日本企業が取り組むべきことについて、解説する。
・言語系、画像生成系など多様な分野に広がる生成AIの威力
・海外や国内における生成AIの最新技術と業界の動き
・正念場を迎えた生成AIの導入段階、政府が取り組む3つのポイント
・パナソニックコネクトや村田製作所、生成AIを活用する日本企業
・日本の企業や組織が生成AIに取り組むべき次の一手
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