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- 2023/06/19 掲載
ゲームも自動車メーカーも「使いまくる」Unreal Engine、次はデジタルファッションへ
英大学院修了後、RPA企業に勤務。大手通信社シンガポール支局で経済・テクノロジーの取材・執筆を担当。その後、Livit Singaporeでクライアント企業のメディア戦略とコンテンツ制作を支援(主にドローン/AI領域)。2026年2月、シンガポールで「SimplyPNG」を設立し、AI画像編集のモデル運用とGPUコスト最適化を手がける。主にEC向け画像処理ワークフローの設計・運用自動化に注力。
エピックゲームズの評価額は4.4兆円
人気オンラインゲーム「フォートナイト」の開発企業として知られる米エピックゲームズ。未上場の企業だが、同社の評価額は320億ドル、日本円換算では、4.4兆円に上る規模だ。この巨大な評価額の源泉は、一見フォートナイトにあるように思われるが、実際のところは同社のもう1つの主要プロダクト「Unreal Engine」が評価額で大きなウェイトを占めていると見られている。
少し古いが、2018年12月21日にCNBCが報じた情報によると、この時点でエピックゲームズの評価額は150億ドル(2.1兆円)に達していた。当時、フォートナイトが爆発的な人気を見せ、同ゲームのプレイヤー数は2億人に達し、ゲーム収益も10億ドルを記録した。
しかし、150億ドルという評価額には、疑問の声も多数あがっていたという。フォートナイト人気が爆発的に高まったとはいえ、そのユーザーベースが無限に成長する訳ではないというのが理由だ。
Unreal EngineはアマゾンのAWSのような存在
一方、ベンチャー投資会社であるKleiner PerkinsとKKRは、フォートナイト開発にも用いられているエピックゲームズ独自ゲームエンジン「Unreal Engine」が同社の将来価値を高めると予想、12億5,000万ドルの資金を投じた。ゲームエンジンであるが、今後は建築、医学研究、自動車製造など経済のさまざまな分野で活用されるようになり、必要不可欠な存在になると分析していた。
CBInsightのシニアアナリスト、ジャッド・ウェイト氏もCNBCの取材で、Unreal EngineはエピックゲームズにとってアマゾンのAWS(Amazon Web Services)のような存在であると指摘している。2社ともに、コアビジネスをサポートする形でインフラを商品化したが、時間の経過とともに今やそれ自体がコアビジネスになったと述べている。
Unreal Engineの標準エンドユーザーライセンス契約では、Unreal Engineは学習や社内プロジェクトの開発に無料で使用することが可能だ。また、クライアントに提供されるカスタムプロジェクト、映画・テレビ番組などのコンテンツ、収益がゼロか収益がロイヤリティ発生条件を下回る場合も無料となる。
一方、総収入が100万ドルを超えた場合、5%のロイヤリティが発生する。また自動車製造などの非ゲーム分野での法人利用を想定した「エンタープライズ」プログラムでは、1シートの年間ライセンス料を1,500ドル、ゲームスタジオにはカスタム料金を設定。これらがUnreal Engineの主な収益となっている。
2018年末時点の情報では、ゲームとエンタープライズにおけるUnreal Engineのユーザー数は700万人以上だった。 【次ページ】自動車業界からファッション業界へと広がる
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