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  • 2006/11/17 掲載

イントラブログ活用のススメ(後編)~イントラブログの使い方:活用事例4連発~

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ブログは今や、企業Webを展開するビジネスツールとして定着しつつある。しかし、ECサイトへの誘導やユーザーマーケティングなどの明確な目的のある場合を除き、単なるWebサイト更新の負荷軽減だけでは、ブログ本来のメリットを生かせているとはいえない。ここでは、社内活用(イントラブログ)をブログのビジネス利用の「本命」と位置付け、各種機能や 役割、グループウェアをはじめとする既存ツールとの連携や補完性について考察しつつ、「何に」「どのように」ブログを活用すべきかを検討する。



 前編ではイントラブログについて、メールやグループウェアなどへの補完的な利用方法と、既存ツールにはない新たな活用法の実現という、2つの利用パターンについて考察した。後編では、4つの事例を基に、どのような運用が効果的なのかを具体的に検討していく。

イントラブログの多様性

 前編で紹介したように、ひと口にイントラブログの活用法といっても、利用目的が多岐にわたる。また、共有のブログのほかに、社内の各メンバーもそれぞれ個人ブログを持つ場合や、グループ単位や拠点単位でブログを展開するケースなど、さまざまな事例が生まれている。

 後編では、ドリコムのイントラブログサービス「ドリコムブログオフィス」の導入事例を4つ紹介しながら、有用な活用法を提案したい。また、それぞれの運用法にも着目しつつ、イントラブログを導入する際に重要となるポイントについても考察していく。

【活用法 その1】
安価な情報共有ツールがほしい


 30名の社員を抱えるITベンチャー「A社」では、日報やナレッジマネジメント[*1]、ファイル共有、アイデア募集などに取り組もうとしていた。ただ、用途別に個別のツールを購入する予算はなく、メールやメーリングリストで情報共有するという運用を続けていた。その結果、1日に流通するメールの量が多くなり、「どれが重要なメールかわからない」「メールを受信した人しか情報共有できない」ことなどが問題となり、何らかの対策が必要となった。

 こうした問題の解決に、さまざまな用途で使えるとして、A社はブログを導入することを決定。社員1人ひとりにもブログを持たせ、より多くのメンバーで共有すべき情報はメールで送らずにブログに掲載・蓄積していくようにした。それにより、メールの流通量が減ってメールには必要な情報だけが流れるようになると同時に、コストをかけずに日報やナレッジマネジメント、ファイル共有、アイデア募集などの目的を達成できるようになった(図1)。

図1 A社のブログ活用例


 各メンバーが書いたブログの記事は、共通のカテゴリやキーワードによる検索機能を利用して効率的に共有される。また、メールによる記事投稿の機能を活用することで、特定の人にはメールで送信できると同時に、ほかのメンバーにもブログ上で情報を公開することが可能となる。メールを送信する際に、あらかじめ設定された記事投稿用メールアドレスをCCに入れることで、その内容をブログに掲載できるという機能である。

 この利用法は、プッシュ型のメールとプル型のブログの双方の特性を組み合わせて使うことにより、情報共有を効率化した代表的な事例といえる(表1)。

表1 メールとブログの比較


【活用法 その2】
クリエイターと営業担当者によるノウハウ共有


 大手広告代理店「B社」は、200名のクリエイター間のノウハウの共有にブログを活用している。ブログ導入以前は、社内のクリエイター同士のコミュニケーションは乏しく、部署内でノウハウが共有されないという問題があった。したがって、営業担当者も各クリエイターの能力や得意分野を把握できず、顧客ニーズに合致した人材のアサインが行えていなかった。

 B社では各クリエイターの作品を効率的に閲覧できる場所が必要と考え、そのためのツールとして誰でも簡単に情報をアップできるブログを採用することにした。

 導入後は、クリエイター同士のコミュニケーションが活発化し、それによってノウハウの共有も促進された。また、作品の質も向上したほか、クリエイティブ部門と営業部門がスムーズに情報共有できるようになり、営業担当者による効果的なクリエイターのアサインが可能になったという部門間での成果を出した。また、中途入社の社員でも過去の作品を閲覧することでクリエイターごとの実績を把握でき、社内環境にスピーディになじむことができるという副次的なメリットも生まれた(図2)。

図2 B社のブログ活用例


 導入当初は、どの程度クリエイターに情報をアップしてもらえるかという懸念もあったが、各クリエイターの作品をほかの社員に見てもらえることがモチベーションとなり、作品は順調にアップされている。これは、誰がブログを閲覧したのかを管理者が把握できる「足跡機能」によって促進された。

 B社の例ではクリエイターの作品紹介にブログを活用しているが、そのほかにも、コンサルティング企業では各コンサルタントが担当する顧客事例の共有ツールとして、ソリューションベンダーでは製品情報の共有ツールとして、ある企業の営業部内では営業担当者同士のノウハウ共有ツールとして利用されている例もある(営業部内では、携帯電話からメールで記事を投稿したり閲覧したりする機能が多用されている)。個々のノウハウを簡単に共有できるツールが過去にはなかったことから、既存ツールを補完するためにブログを活用しているといえる。

[*1]ナレッジマネジメント
個人の知識や情報を組織全体で共有し、有効活用することで業績の向上を目指す経営手法。米国を中心に普及・拡大し、日本では「知識管理」などと呼ばれることもある。知識や情報=「ナレッジ」とは、データだけでなく、経験則やノウハウなどのように言語化されにくいものまで、幅広いものを指す。なお、ナレッジマネジメントを実現するためのソフトウェアなどを「ナレッジマネジメントツール」「ナレッジマネジメントシステム」と呼ぶ。

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