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- 2024/02/29 掲載
アクセンチュア流「AIとの8つの融合スキル」とは? トップが示す生成AI仕事術
アクセンチュア流「生成AI時代の仕事術」
日本企業の「生成AIスキル陳腐化懸念」という憂慮
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏はAIを「携帯電話やインターネットと同じくらい革命的」と語っているが、筆者が受けた衝撃はインターネットが出現したとき以上のものだ。今後生成AIは私たちのあらゆる仕事や生活全般に影響を及ぼしていくだろう。今、世界の人口の半数以上がインターネットを活用しており、日本ではもはやインターネットを抜きに仕事や生活をしていくことは難しい世の中となっている。生成AIも今後、同様の流れをたどり、その先には、今までとはまったく異なる仕事のあり方や生活の形が表れるのではと筆者は考えている。少なくとも、この技術を使いこなせるか否かで、今後ホワイトカラーの仕事の効率は天と地ほどの差が生まれるに違いない。
生成AIはDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進する武器であり、生成AIを業務に組み込むことでDXが進んでいくことだろう。一方、日本はIMD発表の世界デジタル競争力ランキング(2023)で前年調査からさらに3つランクを下げて32位と、調査開始以来過去最低だった。本調査の中で特に、ビジネスの俊敏性や、人材面で足を引っ張っている点を筆者は憂慮している。
近年の生成AIの急速な発展を目にして、今何かスキル習得を始めてもそのスキルがすぐに陳腐化してしまうのではないか。そのような懸念の声を、筆者自身クライアント企業の現場でしばしば耳にする。
しかし筆者が2018年から提唱している「8つのスキル」は、2024年現在でも有効で、むしろ今だからこそ重要になったスキルであると考えている(監修した書籍『HUMAN+MACHINE 人間+マシン: AI時代の8つの融合スキル』で紹介)。
DXをこれから推進する企業を念頭に出版した内容だが、生成AIの登場によってDXによる業務変化のインパクトが桁違いに大きくなり、結果この8つのスキルは今、5年前より一層重要になった。今改めて必要と感じるこの8つのスキルを、「人間がAIを補完するスキル」「AIに人間の力を拡張させるスキル」「人間とAIのハイブリッド活動」の3つのカテゴリにわけて見てみよう。
人間がAIを補完するスキル
<1>人間性回復人間は人間の得意とする仕事に注力することだ。仕事の生産性のみを追求するのではなく、人間の幸福度が最大化するような、人間とAIの役割分担を考えることが問われる。
<2>定着化遂行
業務変革スキルと言い換えても良い。人間とAIが協働する形を単なる実験で終わらせず、業務にしっかり定着させる能力が必要になる。
<3>判断プロセス統合
人間による総合的判断能力をさす。AIの判断を取り入れつつ、「人間の判断」が必要なプロセスを見極め、総合的判断を下す能力が問われる。 【次ページ】「AIに人間の力を拡張させるスキル」「人間とAIのハイブリッド活動」
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