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  • 【清水克彦氏インタビュー】40歳が人生の再スタート地点 

  • 2007/02/16 掲載

【清水克彦氏インタビュー】40歳が人生の再スタート地点 

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人生50年と言われていた時代はもうすでに過去となった。日本人の平均寿命が80歳を越えた現代、人生の折り返し地点である40代をどのようにすごせばよいのか……。『人生、勝負は40歳から!』(ソフトバンク新書)にて、成功するための「少しだけの努力」の大切さを書いた清水克彦氏。格差社会が叫ばれている今、満足の行く人生を送るためにどうすればよいか? そして、注目の集まる教育問題をどう捉えればいいのか、お話をうかがった。

2-6-2の真ん中にいる人たちの
ボトムアップが必要

『人生、勝負は40歳から! 』
『人生、勝負は40歳から! 』
――この本を執筆しようと思われたきっかけは何でしょうか?

清水克彦●
「再チャレンジ」という言葉が安倍総理の口を借りて浮上をしてきたことが大きいでしょうね。今の日本社会というのは、2-6-2の構造だと言われています。つまり、エリート層が2割くらい、その下に6割くらいの大衆がいて、ニート、フリーターに代表されるような「頑張る気すらない」という人が2割くらい、という社会構造になっているわけです。

 いくら制度を整えてもそれを使うのは人間だ、と言いますが、結局トップの2割の人間というのは、制度が良くても悪くても頑張る人なんです。安倍総理が言っている「再チャレンジ」というのは、一番下の2割の人をなんとかしたいというのが眼目ではないでしょうか。それはそれで非常に不運なことがあって、今はこういう境遇に甘んじているけれど、という人は沢山いると思いますけど、問題は真ん中にいる人たち。この人たちをボトムアップしないと日本の社会にとってプラスにならない。真ん中の人たちにもっとカンフル剤を与えないと日本というものがもっと良くならない、と思ったのが、そもそものきっかけですね。


――なぜ「40歳」をターゲットに絞ったのでしょうか?

清水●
私自身が40歳を迎えたときに「今の自分ではダメだな」と思ったのがきっかけとしてはまずあります。今年(2007年)は団塊の世代がじわじわっと退職していって、向こう3年の間に700~800万の人が現役を去っていくという現状があります。

 そうなると、そのあとを託される人たち、しかも団塊の世代の方たちが持っていた思想から一歩離れた40代の人たちが気合いを入れて頑張らないとダメなんです。ビジネスパーソンとしても脂が乗っていて勢いがあり、子供を育てている世代なので教育問題についても現実的に考えることができる、そういう40代がちょっと気持ちを入れ替えて頑張るというのが、世の中をハッピーにする突破口になるのかな、と思ったのです。


40代は、もうちょっとだけ、
もうワンステージだけ上がりたいと願う


――「世の中をハッピーにする」とおっしゃいましたが、清水さんの考える40代の「ハッピー」とはどういうものでしょうか?

清水●
年収の高低よりも、自分で思い描いたことが実現できていることではないか、と考えています。「一発当てて、ホリエモンのようになりたい!」とか村上世彰氏(元M&Aコンサルティング代表)のようになりたいという人もいるでしょうけれど、基本的には、40代ということはもう20年前後の社会経験があって、世の中の酸いも甘いも一応噛み分けてきた世代ですから「身の丈に合った幸せ」というものを考えていると思いますね。なので、40代の人たちが持っている希望というのは、もうちょっとだけ、もうワンステージだけ上がりたい、と願っているのではないでしょうか。その「ワンステージだけ上がる」という事を実現できた人が、ハッピーなのではないか、と私は思います。そのためにちょっとしたことを変えることができれば、全体の流れを変えていくことができると思うんです。それは、40歳からでも決して遅くはありませんし、40歳だからこそ出来るとも言えます。

清水克彦氏
清水克彦氏

――「ハッピーな40代」を迎えるために、10~20代の若者は、どのように行動していけばいいのでしょうか?

清水●
現在、私は大学(江戸川大学メディアコミュニケーション学部)で非常勤講師をしているのですが、「30代の自分を思い描いて生きろ」と教えています。就職先がどこであるか、ではなくて30歳、つまり社会に出て5年以上経った段階で、社会の戦力になることができるのか、と見ています。そして、30歳くらいの方へ講演などでお話をするときには、「50歳になったときにどういう自分になっているかを想像して、それに向かって頑張ってください、私は自分が思い描いた50代への途上にありますよ」と話をしています。つねに、10年ないしは20年先を見なさい、と。


――では、50歳以上の方へ講演をするときには、どのようなお話をされるのでしょうか?

清水●
昔は40代を「不惑」と言いましたが、現代では50代が「不惑」なのではないか、と考えています。それを踏まえた上で60歳へ向けて、もうワンステップしてみてはいかがでしょう、そして、60代を目前に控えてから慌てるのではなくて、今からその準備をしておきましょう、といったお話をしたいと思っています。しかし、60代を越えた人で、私の知る限り、「自分を変えることができた」という人は割合として非常に少数です。なので、できるだけ60代より50代、50代より40代のうちに少しずつ自分を変えて行くことが大切になるでしょう。けれど、30代だとまだ経験が乏しすぎるので、40代になるまでに色々経験を積んで欲しいと思っています。

(執筆・構成:大田唯)

●清水克彦(しみず・かつひこ):
文化放送プロデューサー、江戸川大学メディアコミュニケーション学部非常勤講師。政治・外信担当記者を経て、ディベート研究のため米国留学。帰国後、ラジオニュース番組のキャスターやニュースデスクを歴任。現在は番組プロデューサーや南海放送コメンテーターを務めるかたわら、大学で学生の思考力や表現力の育成にも力を注ぐ。著書に『わが子を名門小学校に入れる法』、『わが子を有名中学に入れる法』(以上、PHP新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)などがある。
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