SAP SCM 2007では、旧バージョンで装備していた計画ツールや実行管理・監視ツールの機能強化に加え、企業間協業モデルの見える化や情報連携などの協業支援機能が強化された。SOAに対応しているため、グローバルにまたがる協業先と、xmlによる標準システム連携により、情報を共有することができる。例えば、海外への製造委託の場合、オーダーとその進捗状況を委託企業と共有し、納入状況を事実として把握、生産計画の精度を上げることができる。また、システムが整備されていないサプライヤーとは、Webを活用した需要、在庫、補充計画の情報連携が可能となる。

　SAP TM 6.0は、グローバルサプライチェーンにおける複合一貫輸送における企業間の協業プロセスを管理し、輸送コスト、品質、納期の把握とドア・トゥ・ドアの輸送進捗の見える化を支援する。グローバルサプライチェーンでは、トラックでの陸上輸送や船舶による海上輸送など、複数の輸送手段を駆使した複合一貫輸送が必須となる。
　各区間を輸送する物流会社が異なるため、複数発生する伝票の管理や出荷拠点ごとの輸送手配による物流効率の悪化が課題となっている。荷主となる企業は、物流子会社や物流のアウトソーシングなどの物流企業と緊密に連携した上で、積送在庫の把握や、送り状単位での物流コストを管理し、顧客への納期を解答する必要がある。SAP TM 6.0は、このようなニーズに応え、貨物の輸送コスト、品質、納期を管理し、見える化された輸送の進捗状況を把握することで、国際物流における業務の効率化を実現する。