- 2008/05/28 掲載
【データセンターインフラ市場調査】投資対象は、スペース増床から省電力サーバへ
データセンターに対する需要増により、各社は、サーバ設置台数を増加させ、同時にデータセンターの新設や改修によるスペースの増床を進めてきた。結果、データセンターの所在地に偏りが出て、関東や関西に集中するようになった。このため、同エリアで電力不足に陥るといったリスクも顕在化され始めている。また、新たに開設したデータセンターでも、1995年以前に竣工された建物を利用している場合は、将来にわたり、必要な電力を十分に供給するだけの受電設備を備えていないケースが多いという。
同社によると、サーバ設置台数の増加に比例して、2000年以降、パワー&クーリングコストが増加を続けている。今後は、さらに増加し続ける見込み。パワー&クーリングコストは、2007年に4,068億200万円だったと推計している(2000年の2.1倍)。さらに、2011年には5,056億1,000万円になると予測している(2000年の2.6倍)。
このような状況を反映して、国内データセンターの投資意向には変化の兆しが現れている。データセンターにおける重点投資対象が、2008年を境に「IT機器設置スペースの増床」から「省電力/省スペース化したサーバ」へとシフトしているという。事業者データセンターでは、すでにIT機器設置スペースの増床に対する投資が減りつつある。また、2009年上半期には、電源設備や冷却設備の増設/買い替えもピークを迎える。IDC Japanサーバー リサーチマネージャー 福冨里志氏は、「2009年上半期までに、省電力/省スペース化したIT機器を高密度に設置できる環境が整う。その結果、2009年下半期以降は投資対象が、省電力/省スペース化したIT機器へとシフトする。サーバベンダーは、データセンターに対する省電力/省スペース化したサーバーの拡販に注力すべきである」と指摘している。
![]() |
国内におけるサーバー関連の電力コスト予測、2000年~2011年
|
関連コンテンツ
PR
PR
PR