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- 2025/09/09 掲載
「ここで差が付く」企業のデータカタログ導入、ガートナー推奨「4つの戦術」とは
データカタログ導入で「苦戦しがち」なワケ
AIやAIやデータ分析の重要性が叫ばれる中、多くの企業がデータカタログの導入に苦戦している。データカタログとは、組織のデータ資産とその詳細情報(メタデータ)を管理するシステムのことだ。これにより、組織内に散在するデータの所在や意味を可視化し、データの品質管理やガバナンスの強化、さらにはAIプロジェクトの基盤整備にもつながる。データカタログについて、5年間で数百件ものデータカタログ導入に関する相談を受けてきた経験から、多くの組織が同じような失敗パターンに陥ることを指摘するのは、ガートナー シニア ディレクター, アナリストのジェーソン・メッド氏だ。

シニア ディレクター, アナリスト
ジェーソン・メッド氏
メッド氏は、最高の製品を探し、多額の費用を投じてツールを購入しても、時間がない、適切な方法が分からない、思ったほど早く結果が出ないといった理由で、結局は導入を断念してしまうケースが後を絶たないと指摘する。
メッド氏によると、データカタログ導入における最大の課題は、戦略的な視点の欠如だ。多くの組織では期待するビジネス成果との整合性が不十分で、技術的な仕組みは理解していても、それが効率化やリスク削減、ビジネス価値の向上にどうつながるのかを明確に把握できていない。
加えて、データカタログの構築にはビジネスユーザーからも知識を提供してもらう必要があるが、その作業負荷と時間的コミットメントが事前に共有されないため、協力を得にくくなるという。
また、最も厄介なのは、投資回収期間が長いことだ。データカタログは即座に利益を生み出すものではなく、何か問題が発生したり、人が退職したりした時に初めてその価値を実感することが多いとメッド氏は指摘する。
「データカタログの中核となるメタデータへの投資は『保険』のようなもので、情報を入力してから実際にメリットを実感するまでに短くても半年、長いと2年以上かかることもあります」(メッド氏)
では、これらの課題を踏まえた上で、データカタログの導入で効果を挙げるにはどうすればよいのだろうか。 【次ページ】メタデータの種類と「何が」「なぜ」必要か
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