• 2025/12/20 掲載

富山 南砺市に日本最大級「AIデータセンターハブ」計画 ― AI需要を背景に、国内版AIインフラ戦略を加速

総電力供給能力3.1ギガワット(GW)規模、東京・大阪圏に次ぐ国内第3のAIデータセンター集積地に

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日本政府と地方自治体、民間企業は、富山県南砺市で国内最大級となるデータセンター集積地「Nanto Campus」計画を進めている。完成時には総電力供給能力3.1ギガワット(GW)規模に達し、東京・大阪圏に次ぐ国内データセンターハブの形成を目指す大規模プロジェクトとして位置付けられている。
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(出典:ギガストリーム富山)
計画は南砺市とインフラ整備企業・GigaStream Toyamaの協力によるもので、AIサービスやクラウドコンピューティング向けの需要急増を受け、災害リスクの低い地域に強靭なデータセンターインフラを構築する狙いがある。既存の東京・大阪圏には国内データセンターの約85%が集中しており、地理的分散化が急務となっていた。

計画の第1段階では400メガワット(MW)級の供給能力を2028年末までに整備し、米国のハイパースケールクラウド事業者であるAmazon、Google、Microsoftなどの誘致を想定した施設運営が見込まれている。電力供給面では、北陸地方の比較的安価で潤沢な電力を背景に、事業者の拡大期待が高まっている。

この「Nanto Campus」は世界でも最大級クラスのデータセンターハブになる可能性があり、AIモデルの大規模演算や生成AIサービスのバックエンドとして機能するインフラ基盤の拡充が狙いだ。

日本国内ではAIやクラウドサービスの急成長を背景に、データセンター市場が拡大している。市場調査会社の分析では、国内のデータセンター投資額は今後増加傾向にあり、2028年には1兆円を超える新設・増設投資が見込まれている。加えて、AI需要に対応した高密度データ処理向け施設が増えつつあることから、地方分散化とインフラ強化の重要性が高まっている。

政府は、地方へのデータセンター分散をデジタルインフラ戦略の一環として推進しており、災害リスクの低減や低遅延接続の実現を図るための政策支援も検討されている。これにより、地方経済の活性化や外資系クラウドサービス事業者の誘致促進にもつなげる狙いがある。

一方、AIインフラの世界的競争では、米国の大規模AIデータセンター構築計画「Stargate Project」が引き続き注目されている。日本側の計画はこれら国際的動向を背景に、国内版AIインフラ強化戦略の象徴的案件として評価されている。

南砺市のデータセンター集積地は今後、日本のAI時代を支える重要なデジタルインフラ基盤として、世界規模の競争力強化と地域経済の発展に寄与する可能性があるとみられている

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