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- 2026/04/18 掲載
三井不動産と日立、通信障害時もSLMで駆動するAI災害対策支援システム開発
ローカル環境で稼働するSLMが危機管理の初動対応を支援
システムに導入されたSLMは大規模言語モデル(LLM)と比較して軽量な設計であり、オフィスにある標準的なPCやスマートデバイス上でも動作する。これにより、通信が途絶した状況下においても危機管理センターの業務を継続できる。また、機密性の高い防災マニュアルや対応ノウハウを外部サーバーに送信しないため、情報保護の面でも利点がある。システムの開発プロセスにおいて、三井不動産はオフィスビル運営で蓄積した危機管理の現場知見や膨大な対応マニュアルを提供し、要件定義を主導した。
日立製作所はビル設備運営の知見と自社のAI技術を統合し、システムの設計および実装を担当した。本システムでは、担当者がスマートフォン等のデバイスから各ビルの被災状況を入力すると、AIがマニュアルを横断的に検索して優先すべき初動対応を自動で提示する。ビルごとの立地や設備構成の違いに応じた個別の支援が行われる仕組みである。さらに、システムにはマニュアル内の図表情報に対応する視覚言語モデル(VLM)が組み込まれている。熟練者の知見や過去の対応履歴をAIに学習させるファインチューニングを実施し、業務に特化した応答性能を実現した。
AIによる回答時には参照元のマニュアル情報も同時に提示されるため、担当者は根拠を確認しながら正確な判断を下すことができる。これにより、担当者の経験や習熟度に左右されない迅速な初動対応が可能となる。両社は現在、システムの実証と技術検証を進めており、危機管理センターにおける早期の本格稼働を目指している。また、共同開発で確立した技術成果を日立製作所のビルソリューション群に組み込み、他のオフィスビル管理事業者に対しても提供していく方針である。
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