- 2026/05/12 掲載
ソフトバンクの26年3月期決算は売上高初の7兆円突破、新中計でAIインフラ投資
新中期経営計画「Activate AI for Society」AIに1兆円の戦略投資
中核のコンシューマー事業は、従来の新規契約獲得を中心としたモデルから、一人あたりの月間売上高の向上や長期利用の定着を重視する戦略への移行を進めている 。好調な業績を背景に、普通株式一株当たりの年間配当金は2025年度の8.6円から2026年度は8.8円に引き上げられ、5年ぶりの増配となる。同社は決算発表と同時に、2027年3月期から2031年3月期を対象とする新たな5カ年の中期経営計画「Activate AI for Society」を公表した 。本計画では、2030年度における連結営業利益1兆7000億円、純利益7000億円という財務目標を掲げている。
今後の事業構造として、従来の強固な通信ネットワーク基盤の上にAIインフラとAIサービスを構築し、さらにファイナンスやメディア・EC事業を連携させる新たな成長モデルを定義した 。特にエンタープライズ事業を牽引役と位置づけ、AIを活用したクラウドサービスなどを拡充することで、同部門の2030年度の利益を2025年度比で倍増させる計画である 。この成長戦略を支えるため、同社は大規模なキャピタルアロケーションの方針も明らかにした。
2026年度からの3年間で通信事業などを通じて累計3.4兆円の営業キャッシュフローを創出し、そのうち1.5兆円を通信設備の維持・強化に充てる 。さらに、AI関連をはじめとする成長領域に向けた戦略的投資枠として1兆円を確保した 。この戦略投資の中核となるのが、全国規模でのAIデータセンターの構築である 。具体的には、大阪府堺市と北海道苫小牧市に大規模なAI計算基盤を整備する 。堺市のAIデータセンターは2027年度の稼働開始を予定しており、電力容量140メガワットを備え、NVIDIA製の最新グラフィックス処理装置を約10万枚相当搭載した110エクサフロップスの計算能力を有する国内最大級の施設となる。
また、これらのデータセンターの膨大な電力需要に対応するため、安全性が高くレアメタルを使用しない亜鉛ハロゲン電池を自社で開発・製造する取り組みも進め、2030年度にはバッテリー事業単体で売上高1000億円以上を目指す方針を示した 。ソフトバンクはこれらのインフラ投資を通じて、これまでのAIに関する技術開発を中心とした段階から、AIを社会基盤として実装し収益化を図る段階へと事業を本格的に移行させる。
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