- 2026/10/15 06:10 掲載
ガートナー推奨「AIサービス選定6カ条」、オープンハウス「11万時間」削減の秘訣も
AIサービス多様化…どれを選ぶべき?
AIへの社会的な関心の高まりを受け、AI/AIエージェントサービスの多様化が急速に進んでいる。複数サービスを併用する企業も今や多く、ガートナーが2026年2月に国内で実施した調査によると、全体の65%がMicrosoft Copilotを利用しているという(冒頭の図1)。こうした中、「現状のAI/AIエージェントサービスには看過できない大きな課題が依然として残されています」と警鐘を鳴らすのガートナー ディレクター,アナリストの林 宏典氏だ。
林氏はAI/AIエージェントを、強力なエンジンを搭載しながら、ステアリングやブレーキなどの機能開発が追い付いていない自動車に例え、課題を次のように説明する。
「運転は当然難しく、セキュリティやガバナンス、コストなどの事故リスクも高い水準にあります。エンジンが強力なだけに事故時の被害が大きくなりやすいのも問題です」(林氏)
林氏によると、事故回避で何より大切なのが車選び、つまりはサービス選定だ。その手法は「全社で利用するサービス」と、「ユーザー部門主導で特定の目的のために利用するサービス」とで少なからぬ違いがあるという。
全社利用で見ておきたい「6つのポイント」
前者(全社で利用)のサービス選定で最初に取り組むべきは、次の6つの観点を踏まえた候補の絞り込みだ。(2)企業標準への準拠や既存環境との連携といった「既存適合性」
(3)SDKやMCP/A2Aなどへの対応といった「拡張性」
(4)ガバナンス機能やサードパーティ・ツールへの対応度などの「セキュリティ/ガバナンス」
(5)提供形態や言語、データの保護/保存場所などに関する「サポート」
(6)課金体系や従量課金のレートといった「ライセンス」
このうち、ライセンスを除いた5つは自動車における制御機能に当たり、能力が高いほど“運転”がしやすく、事故もそれだけ起こりにくい。そのうち目立たないながら、実は重要なものとして林氏が挙げるのが既存適合性だ。
「AIでの、より大きな成果創出では、自社の独自のデータ利用が鍵を握ります。既存適合性が低いほどそれが難しく、実現コストもそれだけかさみます。後悔のないよう入念にチェックすべきです」(林氏)
一方で、ライセンスに関しては、AI/AIエージェントの課金形態は以前から主流であった月額ユーザー定額課金から、利用分を支払う従量課金へ移行しつつある。その影響でコスト負担が急増したとの相談もガートナーに寄せられており、「請求書を見て慌てないよう、ライセンス形態も労を惜しまず調べるべきです」(林氏)。
ここまでで採用候補が絞れたら、後は各サービスで利用可能な「汎用チャットボット」「AI組み込みアプリ」などの各AIエージェントの機能にまで踏み込み、横並びで比較した上での最終決定だ(図2)。
ただ、そこで留意すべきが、エージェントの中にはユーザーの意図しない動作により、結果的にコストやセキュリティのリスクを生じさせるものがあることだ。
「『Computer Use』エージェントが代表格です。能力の高さゆえの想定外の挙動で、1カ月分のAI予算を数日で使い切るケースもあります。最終決定したサービスに同エージェントが含まれているなら、一般社員の利用を禁じるなどのリスク回避策を忘れてはなりません」(林氏) 【次ページ】部門主導の選定なら…ガートナー推奨「分業モデル」とは
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