- 2026/03/17 掲載
SB C&S草川社長に聞く、ITディストリビューターが“価値創出”するための共創とAI戦略
IT流通の最新事情、ディストリビューターが生き残る道とは
IT流通を取り巻く環境は明確な転換点に差しかかっていると感じています。かつてITは、企業活動を下支えする「基盤」として位置づけられてきました。しかし現在では、ITの選択そのものが、企業の競争力や成長スピードを左右する経営判断になりつつあります。クラウドやAI、セキュリティといった技術は年々高度化し、単体で完結するものはほとんどありません。複数の技術をどう組み合わせ、どう使いこなすかによって初めて価値が生まれる時代です。こうした変化は、ITを提供する側にも大きな影響を与えています。
特に販売パートナーさまを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わりました。取り扱うIT商材は増え続け、技術理解や提案に求められるレベルも上がっています。一方で、人材不足や育成負荷といった課題もあり、すべてを1社で抱え込むのは現実的ではありません。販売パートナーさまが疲弊してしまう構造は、結果としてエンドユーザー企業さまにも不利益をもたらします。
こうした状況を前に、私たちディストリビューターの役割も見直さなければならないと考えています。これまでのように、製品を安定して供給するだけでは十分ではありません。導入して終わりではなく、「その後どう活用され、どう成果につながるのか」まで含めて支援する必要があります。
従来型の“ボックスムービング”が悪いわけではありません。ただ、それだけでは私たちITディストリビューターは、お客さまに価値を届け切れなくなった、というのが現実です。技術の目利き、組み合わせの設計、販売パートナーさまへの技術支援や教育まで含めて関与することで、初めてIT流通としての役割を果たせる時代になっています。
こうした課題意識の中で、私たちの「Value Added Distributor(付加価値提供型ディストリビューター)」としての存在意義を強化してきました。
SB C&Sが考える「新しい生存戦略」の中身
この「Value Added Distributor」という考え方は、単なるキャッチフレーズではなく、私たちがIT流通事業者として生き残るための必然的な選択でした。重要なのは、この考え方を理念で終わらせず、販売パートナーさまのビジネスに実際に役立つ“仕組み”として実装してきたことです。その成功事例にあたるのが、SaaSビジネスのパートナー支援基盤です。まず入り口となるのが、法人向けIT製品・SaaSのレビュープラットフォーム「ITreview」です。現在、約1万4500製品、15万件を超えるレビューが掲載されています。販売パートナーさまにとっては、エンドユーザー企業さまの“生の声”を起点に提案を組み立てられる点が大きな価値になっています。
次に、その問い合わせや案件を実際のビジネスにつなげていく役割を担うのが、販売・マーケティング支援部隊である「Cloud Service Concierge」です。SaaS専任の人員約100名が、製品理解から提案設計、マーケティング施策の立案までを支援しています。SaaSベンダーさまにとっては販路拡大のレバレッジとなり、販売パートナーさまにとっては、自社だけでは追い切れない領域を補完する存在です。
そして、サブスクリプションビジネスを成立させる上で欠かせないのが、契約管理プラットフォーム「ClouDX」です。現在、480を超えるサービス、250社以上のベンダーの契約管理を担っており、販売パートナーさまに代わって契約・更新・管理を一元化しています。リカーリング型ビジネスは、立ち上がりこそ小さく見えますが、運用負荷が高く、仕組みなしには継続が難しい領域です。ClouDXは、そのハードルを下げ、販売パートナーさまが安心してSaaSビジネスに取り組める基盤となっています。
この「ITreview」「Cloud Service Concierge」「ClouDX」という3つの仕組みが連動することで、販売パートナーさまは、目利きから提案、契約、運用までを一気通貫で進めることができます。私たちは、単に付加価値を“足す”のではなく、パートナービジネス全体を前に進めるための構造を提供してきました。
Value Added Distributorとは、販売パートナーさまと共に成長するための役割そのものです。この仕組みを磨き続けることが、私たちSB C&Sの競争力の源泉になっています。 【次ページ】まずは自分たちでの使用を徹底、SB C&S流「AI活用術」
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