- 2026/09/23 12:45 掲載
AIの学習データ争奪戦、米スノーケルAIが546億円調達し評価額は2.7倍の5,460億円へ
今回付いた企業価値評価額は35億ドル(約5,460億円)。米TechCrunchによると、17カ月前のシリーズDで付いた13億ドルから2.7倍に膨らんだ計算になる。
同社は2019年、米スタンフォード大学のAI研究室から独立して設立された。当初の主力は、学習データのラベル付けを自動化するソフトウェアである。だが約1年前からは、完成したデータセットや強化学習用の環境、評価システムそのものを納品する「データのサービス提供」へ軸足を移してきた。この事業が急伸し、年換算売上高は今週3億7,500万ドル(約585億円)を超えた。1年前の水準からは18倍だという。
背景にあるのは、AIモデルの性能を左右する要素が計算資源からデータの質へ移りつつあるという見立てだ。共同創業者でCEOのアレックス・ラトナー氏は「フロンティアデータは、人間の労働時間と人員を最適に供給するだけでは、もはや解決できない」と述べ、データ作りが人海戦術では立ち行かなくなったとの認識を示した。同社はこの変化を、量を追う「Data 1.0」から質を追う「Data 2.0」への転換と位置づける。
制作の現場では、法律や医療、ソフトウェア開発といった分野の専門家と、数千規模のAIモデルやエージェントを組み合わせるという。人手だけでも合成データだけでも届かない領域を、両者の協働で埋める狙い。顧客にはフロンティアAIの研究機関やハイパースケーラー、業種特化型のAI企業、大企業に加え、米政府機関も並ぶ。
調達した資金は、エージェントを使うデータ工場の生産能力の拡張や、業種特化型・企業向けAIへの投資、新しい領域やモダリティへの研究の拡大などに充てる。プレスリリースでは、オープンな研究活動を広げる方針も示した。
AI向けデータの供給を担う企業には、こうして資金が集まりやすくなっている。自社の業務にAIを組み込もうとする日本企業にとっても、モデル選びと同じくらい、学習や評価に使うデータをどう用意するかが問われる局面に入りつつある。
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