- 2026/09/23 19:10 掲載
イスラエルのサイエラが624億円調達、AIエージェントを監視する「信頼の層」を築く
サイエラは2021年設立で、拠点はイスラエル。企業のクラウドやSaaSに散らばる機密データを自動で洗い出し、その中身と閲覧権限、保護の状況を突き合わせるサービスを提供している。2026年に入ってからの調達額は今回を含めて計14億ドル(約2,184億円)、累計では20億ドル(約3,120億円)を超えた。企業価値も2024年の30億ドルから2年で4倍に膨らんでいる。従業員は18カ国で1,500人を上回る。
今回の資金が向かう先は、AIエージェントだ。同社の「Agent Guardian」は社内データに触れるAIエージェントを棚卸しし、過剰な権限を持つものや、エージェントが呼び出すツールとMCPサーバに潜む欠陥を検出する。危険な操作をその場で止め、規定に反するエージェントを隔離する機能も持つ。端末向けの「Cyera Endpoint」では、従業員が業務用のデータを社外のAIエージェントに読み込ませる行為を防ぐという。
背景にあるのは、人ではないIDの急増である。AIエージェントはサービスアカウントやAPIキーを使い、人の承認を挟まずに機密データへ触れる。サイエラは9月、この非人間ID(NHI)の管理を手がけるオアシス・セキュリティを10億ドル(約1,560億円)で買収し、データとIDの両面から制御する体制を整えたばかりだった。
共同創業者でCEOのヨタム・セゲブ氏は「グローバル2000の企業はそろって同じことを言う。AIエージェントを広げる前に、エージェントが何を見て何ができるのかを信頼できなければならない」とコメント。出資したゴールドマン・サックス・オルタナティブズのイリット・カハン マネージングディレクターも「AIを守ることは、今後10年のエンタープライズ技術を定義するカテゴリーの1つになる」と述べている。
調達した資金はAIセキュリティ製品の機能拡充に加え、米連邦政府向け市場の開拓と、欧州・中東・アフリカおよびアジア太平洋地域での事業拡大に充てる。顧客にはパラマウントやチポトレ、バルボリンといった大手が並ぶ。AIエージェントの導入がデータ保護の前提を崩しつつあるなか、その穴を埋める投資が加速している。
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