- 2009/06/09 掲載
10億件のデータが3秒で検索可能、SAPジャパンがビジネスインテリジェンスの新製品を発売
本製品の発表は、同社が先般発表したコンセプト「クリア・エンタープライズ」に基づいたもの。発表に先立ち登壇した、SAPジャパン 代表取締役社長のギャレット・イルグ氏は現在の景況感について「非常にチャレンジングな状況だが、手をこまねいていてよい時期ではない」と指摘。また、こうした中で「経営者は、リアルタイムで情報を収集し、迅速・正確・俊敏・効率的に事業運営を行う必要がある」とし、経営における「戦略」→「決断」→「実行」→「インサイト(洞察)」→「戦略」…という事業サイクルを回していくために、リスクを予測できる「クリア・エンタープライズ」の考えが必要であると語った。
今回発表したExplorerは、さまざまな報告業務を行う「Crystal Reports」、ダッシュボードを担う「Xcelsius」、アドホックなレポーティングを行う「Web Intelligence」、OLAP分析を行う「BEx Analyzer」と「補完的な役割を担う」製品という位置付け。
製品機能の説明にあたっては、イルグ氏自らある食品業界をもとにしたデモを実施した。Explorerは、まずインターネット同様の検索画面から開始する。デモは、グローバルの収益が悪化したとある食品業者の経営者がその原因を探るというもの。検索ボックスから「Food Region Sales」で検索すると約3億6600万個のデータのうち、該当すると思われるデータが1秒以内に検索結果として表れる。該当すると思われる検索結果をクリックすると分析画面が現れ、どの品物に問題があるのか、どの地域に問題があるのか、などをドリルダウンで調べていくことができる。「わずか4分で検索した情報は、そのままメールにて送信可能で、各カントリーマネージャが受け取り、問題の共有が行える(イルグ氏)」。
これまでこうした情報は、主にExcel上で共有されていたが、同製品を利用することで「Excelに詳しい人間にお願いしていた情報検索が、担当者自身の手で行え、各人が問題を把握できるようになる(バイスプレジデント ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部長 福田謙氏)」という。
本製品は、同社のERP製品である「SAP Business Suites」などの基盤となっているNetWeaver上で動作するため、「理論上は100テラバイトのデータでも瞬時に検索できる(福田氏)」ほどのパフォーマンスを実現したという。NetWeaverのオンラインメモリ型アプライアンスでは、10億件のデータ件数が3秒で検索できる。
ラインアップとしては、NetWeaver上で動作するもののほか、「それほどのパフォーマンスを必要としないユーザー向け」として、SAP BusinessObjects Enterprise XI 3.1上で動作するものも用意した。
本日からNetWeaver向けのものを提供。次のフェイズでは、2010年中にNetWeaver以外のあらゆるDWHやあらゆるソース上で動作する製品を投入していく見通し。
Explorerの価格は未公表ながら「巨大なデータを扱う大規模向けのみではなく、中堅企業にも手の届く価格帯を設定する(福田氏)」としている。
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