- 2009/06/23 掲載
「2年後には誰もハイパーバイザの話をしなくなる」米レッドハット 副社長 ポール・コーミア氏
仮想化はクラウド実現に不可欠なテクノロジー
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レッドハットは23日、プレス向けのラウンドテーブルを開催した。米レッドハット Executive Vice President and President,Products and Technologiesのポール・コーミア氏は、「クラウドの分野でLinuxは圧倒的に優位な立場にある」「私の知る限り、IaaS(Infrastructure as a Service)環境は、ほぼ100%Linuxで構築されている。Amazonは我々にとって、非常に良いお客様だ」と、クラウド市場における同社の優位性を強調。合わせてLinuxのコマーシャルシェアで、レッドハットが7割~9割程度獲得できているとする調査結果を報告した。
クラウドコンピューティングの価格体系については、サービスを提供するプロバイダとのパートナーシップが重要であることを前提としつつ、「1分いくらというモデルが妥当ではないか」と考えを語った。
同社の製品ポートフォリオについても言及(図1)。レッドハットには、まず主力のOS製品RHEL(RedHat Enterprise Linux)がある。これに加えて、今年の2月には仮想化製品として「RHEV(Red Hat Enterprise Virtualization)」を新たに発表し、提供を開始している。この製品は、2008年9月に買収したQumranetの技術を用いたもので、KVM(Kernel Virtual Machine)ベースにしている。「RHELはXenもサポートしているが、仮想化技術としてKVMのほうが優れている。Xenは、OSとは別のレイヤになるため、別途Xenのために開発を行わなければならず、2度手間になるからだ」とKVMのOSとの一体性による優位性を強調した。「OSとハイパーバイザは一体で提供されるもの。2年後には誰もハイパーバイザの話をしなくなるのではないか」
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現在の仮想化市場については「VMwareも優れた製品を提供しているが、あくまでも仮想化ソフトウェアベンダーに過ぎない。クラウドに必要な製品ポートフォリオを持っているのは、レッドハットとマイクロソフトだけだ。その中で、我々こそが唯一の経済的な方法を提供できる」と、今後の見通しに強気の見解を示した。
レッドハットでは、先日OSのうえのミドルウェア分野で「JBoss Enterprise Web Server 1.0」を発表している。これは、コーミア氏が「RHELとFedoraの関係」というように、JBossのオープンソースコミュニティのソフトウェアに、エンタープライズに耐えられる認証と品質を加味したものとなる。
レッドハットは、このように、OSからミドルウェア領域までカバーする製品ポートフォリオを揃えておおり、あくまでもIaaSベンダーとしての立場を貫く姿勢だ。
コーミア氏は、今後のレッドハットの注力分野については、統合管理の重要性を強調。クラウドを、「物理」「仮想」を含めた企業内のITリソースである「Private Cloud」、リモートなiDCによる「Semi Cloud」、さらにAmazon EC2などの公開されたクラウドサービスである「Public Cloud」に分類した上で、こうしたクラウドサービスをどのようにたばねていくのか、そのときにハブの役割を持つmessage service busの重要性についても言及した。
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