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  • 2010/06/17

「料金は1時間10円が標準」クラウド時代に注目の製品群、クラウド時代のベンダーとの付き合い方--野村総合研究所 城田真琴氏

Google、Azure、Amazonを比較分析

「クラウドは一時のバズワードでは終わらない」。クラウドの動向を長く注目してきた野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 上級研究員 城田真琴氏はこう指摘する。いよいよ本格化するクラウドだが、サービス提供ベンダーが増えるにつれて競争も激化している。ITロードマップセミナーSPRING 2010「最新IT動向と企業情報へのインパクト」で城田氏は、クラウド市場の動向、注目の製品群、さらにクラウド時代のベンダーとの付き合い方について語った。

競争の激化で低価格化が進むクラウドサービス

 城田氏はまず、パブリッククラウドサービスの動向について言及。IaaS、PaaSのレイヤで大手がこぞって低価格競争に入っており、「マイクロソフトの参入が大きく影響して、パブリッククラウド大手の仮想サーバ料金は1時間10円が標準になっている」状況だと指摘。さらにこれで頭打ちではなく、「今後はますます利用料金の低下が期待できる」とした。

 また、パブリッククラウドで問題視されてきたデータの保存場所について、「マイクロソフト、アマゾンEC2ともデータセンターの所在地をユーザーが指定できるようになっており、データセンターの所在地が次第に明らかになりつつある」と語り、かつてのようにクラウド(雲)の先は見えない状況からの変化を指摘した。

 ただ、クラウドのデータセンターが明らかになるにつれ、「所在地によってデータ転送料金が異なる」点、「日本からアクセスする場合にはデータの遅延が生じる」点は注意するべきだという。

 具体的なサービス別では、Amazon、マイクロソフト、グーグルの3社の提供するパブリッククラウドの違いを以下のように解説。

 まず、Amazonの「Amazon EC2」は仮想サーバを借りるだけなので、任意のOS、DB、言語を使用できるため、自由度が高い反面、仮想サーバ、OS、ミドルウエアの運用は自力で行う必要がある。マイクロソフトの「Windows Azure」はこれまでの開発に.NETを使用してきた人には最初の選択肢となる。グーグルの「Google App Engine」は、JavaやPythonを使用するものの、独自のDB、ストレージ、ファイルシステムで構成されているため、独自のノウハウが必要になるが、OSやミドルウエアの管理は不要で自動スケジューリングしてくれる。

 クラウド上で展開するSaaSについては、メールなどのコラボレーション系のSaaSが日本では普及しているが、料金競争が激化しており、グーグルのGmailやGoogle Appsに対抗して、マイクロソフトが昨年11月にExchange Online、SharePoint Onlineなどのオンラインサービスを値下げに踏み切ったことなどを紹介した。城田氏によれば、こうしたコラボーレション系SaaSは1人年額6,000円、容量25Gバイトが標準になりつつあるという。

 また、最近では「パブリックとプライベートを連携させた『ハイブリッドクラウド』という概念も登場しはじめている」と指摘。混沌としつつあるクラウドサービスの特徴とメリット、課題を以下のようにまとめた。

アーキテクチャ説明メリット課題
オンブレミス
(自社運用)
メールボックスやフィルタリングなどすべての機能が自社サーバ上で稼働する環境のこと・すべてを自社で保有し、コントロールできるという安心感
・既存アプリケーションやディレクトリとの連携がしやすい
・維持管理のコストがかさむ
・スタッフの確保が必要
パブリッククラウドすべての機能がクラウド上から提供される・常に最新バーションが利用できる
・運用管理をクラウドサービスのプロバイダーに一任できる
・ディレクトリシステムや既存アプリケーションとの連携に問題が出る可能性がある
・セキュリティに対する懸念がある
ハイブリッドクラウド
(一部のユーザーをクラウドへ移行するタイプ)
クラウドを利用するユーザーとオンプレミスのユーザーが混在する・派遣社員や期間従業員など一時的な利用が容易
・海外拠点のみクラウドを利用するなど臨機応変な対応が可能
・ユーザーによって異なる操作性
・ディレクトリシステムや既存アプリケーションとの連携が困難
ハイブリッドクラウド
(付加サービスのみをクラウドへ)
フィルタリングやアーカイビングなど一部の機能のみ、クラウド上で実行・外部に出してもよい機能のみクラウドへ
・オンプレミスよりは安価になる可能性
運用がかえって複雑になる恐れ


【次ページ】デル、HP、VMwareなど、城田氏が注目するクラウド基盤構築用製品

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