- 2026/01/13 掲載
ChatGPTの請求が月100万超えた……コストを激減できる「ハイブリッドAI」の基本戦略
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
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AIコスト「従量課金」依存の構造的リスク
社内でChatGPTを導入したら、初月の請求が100万円を超えた。こんな経験をした経営層は決して少なくない。AIツールの導入当初は「数千円で始められる」と聞いていたはずが、気づけば毎月の請求額が100万円、200万円と膨らんでいく。この急激なコスト増加は、多くの企業が直面する現実だ。AI支出の急騰は調査の数字にも表れている。米国の調査によれば、2024年の企業の平均AI月額支出は約6万3000ドル(約980万円)だったが、2025年には8万5000ドル(約1,330万円)へと36%増加する見込みだ。さらに注目すべきは、月額10万ドル(約1,560万円)以上をAIに投資する企業の割合で、2024年の20%から2025年には45%へと2倍以上に跳ね上がる。
この背景にあるのが「従量課金」という仕組みだ。OpenAIのGPTやグーグルGeminiなどのクラウド型AIサービスは、処理したトークン数(単語や文字の単位)に応じて課金される。1回の問い合わせでは数円程度だが、これが積み重なると企業規模での利用では膨大な額となる。月間10億トークンを処理すれば、Claude Opus 4.5の場合、1万ドル(約156万円)の請求が発生する計算だ。
加えて深刻なのは、多くの企業がAI支出を正確に把握できていない点だ。Cloudzeroの調査では、自社のAI投資対効果(ROI)を自信を持って評価できる企業は51%にとどまり、約半数がコストの全体像を見失っている状況が浮き彫りとなった。
クラウド型AIツールが予算の大部分を占める中、どの部署が、どのタスクで、どれだけのコストを発生させているのかを追跡できなければ、支出の最適化は不可能だ。
さらに、クラウドAPIへの依存は別のリスクにもつながる。データを外部サーバーに送信することで、GDPR(欧州一般データ保護規則)やHIPAA(米国医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)といった規制に抵触する可能性があり、金融や医療など機密性の高い業界では特に警戒が必要となっている。
加えて、API提供側のレート制限や突然の価格改定、サービス停止といった外部要因にも左右される。AIが業務の中核を担うほど、このような依存リスクは無視できなくなる。
【次ページ】「すべてをChatGPTに任せる」を変えるAI業務の3分類
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