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  • 2010/12/10 掲載

IBMやMS、オラクルに今後買収される企業はどこか?:大手IT系企業買収のまとめ(後編)

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前編では、現在の米IT企業の買収状況を振り返り、クラウドとモバイル・ソーシャル分野がメインテーマになりつつあることを指摘しました。これを踏まえて後編では、今後どのようなM&Aが起きるのかをみていきましょう。買収を「実施する側」として想定する企業は、IBM、マイクロソフト、オラクル、HPといった大手ベンダーです。これらの企業のキャッシュフローの推移をみるとともに、市場関係者やアナリストの噂、筆者の予測も交えながら、今後の動向を占っていきます。

※本稿は筆者による予測、あるいは不確実な情報をもとにした憶測などが含まれています。筆者ならびに弊社は、本稿による損害賠償責任、その他一切の責任を負いません。自己責任の上、十分に注意してご覧ください。

キャッシュフローに優れるマイクロソフトとIBM

 まず、どのような企業が今後M&Aを活発に行うかという問題ですが、その手がかりとなるのが図表1に示す主要IT企業の営業キャッシュフローの推移です。営業キャッシュフローとは、純利益に減価償却費を足し戻した数値であり、企業が1年に本業で稼いた現金の純収入です。もちろん、営業キャッシュフローのすべてをM&Aに利用できるわけではありませんが、営業キャッシュフローが多ければ多いほど、企業買収のための資金を確保しやすくなります。

photo
(出所:会社資料、マイクロソフトは6月期決算、オラクルは5月期決算、シスコは7月期決算)

図表1 主要IT7社 営業キャッシュフロー推移(単位:百万ドル)

 図をご覧いただくとわかるとおり、この営業キャッシュフローで突出しているのが、マイクロソフト(同10年6月期240億ドル=約1.9兆円)とIBM(09年12月期営業キャッシュフロー207億ドル=約1.7兆円)です。

 まず、マイクロソフトからみていきましょう。言うまでもなく同社の事業の柱は、WindowsおよびOfficeのライセンス販売です。クラウド化が進む中でも、企業のほとんどは依然としてクライアントのデスクトップ環境はWindowsとOfficeを組み合わせたものであり、目立った競合もいないことから、同社の生み出すキャッシュフローは最も高い水準となっています。

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