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- 2011/03/28 掲載
Notes移行のポイントまとめ、アップグレードか、乗り換えか、既存環境との共存か
従来のNotesのメリットが、現在の問題を招く結果に
現在のNotesはメール、スケジュール、設備予約といったグループウェアとしての機能提供だけでなく、企業内の各種コラボレーションを支援するアプリケーションの開発基盤としても位置付けられている。しかし、開発環境がオールインワンで提供され、さらにエンドユーザー自身が簡単に開発できるという手軽さから、企業内には数多くのアプリケーションが乱立するという状況が生まれてしまった。
この点について、日立ソリューションズ スマートオフィスソリューション部 技師の柏崎典絵氏は「システム管理者側がすべてのアプリケーションを把握し切れず、ガバナンス上の問題が発生している」と指摘する。従来の“Notesの世界"で作られたものは、Webシステムやスマートフォンなどとの連携が難しいという課題も見えてきた。
またドリーム・アーツ マーケティング部の山本明志氏は、Notesの技術者が不足してきているという現状を示し、「現行のNotes資産を改修することが難しくなってきている」という別の課題を提示、加えてメンテテンスコストが高い、アップグレードにかかる作業が非常に膨大だという問題点にも言及した。
「ただしこれらの課題は、Notesを効果的に利用しているユーザー企業に多く見られる現象であり、裏を返せば、Notesが非常に活用されてきた証だとも言える」(山本氏)。
アップグレードか? 乗り換えか? 既存環境との共存か?
とはいえ、現在のユーザー企業はNotesの扱いについて、次の一手を検討する必要に迫られている。Notesの移行パスをどうするのか。具体的には、アップグレードで対応するのか、他のグループウェア製品に乗り換えるのか、あるいは既存のNotes資産を活かしつつ、部分的な移行を行うのか、ということだ。これを考える上で重要となるのは、「今、Notesをどのように利用しているのか」という視点だ。
たとえばグループウェアの標準的な機能であるメール、スケジュール、設備予約、掲示板などしか使っていなければ、Webサービス型の他のグループウェア製品への移行もそれほど難しい問題ではないだろう。
これに対し、アプリケーション開発基盤としてのNotesに大きな魅力を感じている企業なら、上位もしくは最新バージョンにアップグレードする、もしくは既存のNotes環境は活かしつつ、必要あるいは強化したい機能を他の製品で補足するという選択肢が考えられる。
そのため、実際の移行プロジェクトに着手する前には、自社がNotesに対して求めているものを今一度、洗い直しておく必要がある。
【次ページ】移行パスの実現方法
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