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  • 2021/06/21

Notes移行の実践事例、グンゼとケイミューが語った移行理由と手法とは

独自の作り込みによる自社に最適化した情報共有基盤として90年代から広く利用されてきたグループウェア「Notes(Notes/Domino)」。ただし、時代の変化による技術者不足や過剰な最適化による運用コストの増大などを背景に、近年になりクラウド型グループウェアへの移行が相次ぐ。グンゼ 技術開発部 IT戦略室 室長 鶴海真治氏とケイミュー IT・物流担当 執行役員 石村忠治氏がNoteからの移行における自社の取り組みを紹介した。

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グンゼ 技術開発部 IT戦略室 室長 鶴海真治氏(左)と
ケイミュー IT・物流担当 執行役員 石村忠治氏

Notesからの移行を決めたそれぞれの理由

 肌着メーカー大手のグンゼがNotesからの移行に着手したのは2016年のこと。背景には当時、社内で要望が高まっていたワークスタイル変革に向けた機能面の課題が顕在化したことがある。

 具体的には、Notesのリモートアクセスの仕組みは通信量が多くて海外では処理が遅くて使いにくいこと、スマートデバイスからのアクセスまでには対応していなかったこと、得意先とのデータ交換が7MBまでしか行えなかったこと、などだ。

 グンゼ 技術開発部IT戦略室 室長の鶴海真治氏は、「業務効率化に向けこれらの課題がネックとなりました。また、当社は約20年間、Notesを使い続けてきましたが、2017年時点でシェアが14%を切り、技術的な将来性が見込めないことも不安要素になっていました」と振り返る。

 一方、クボタと松下電工の合弁で発足したケイミューでは、パナソニックグループとしてNotes利用を廃止するとの方針決定を受けNotesのリプレース話が17年になり持ち上がる。ただ、以前からも掲示板やワークフローの運用で不満を感じていたという。

 ケイミュー IT・物流担当 執行役員 石村忠治氏は、「権限付与の問題から、過去に他人が作ったもののメンテナンスに手間暇を要していました。また、拡張性が乏しく、Web化が難しかったことでリモートワーク対応も十分には進められない状況にありました」と説明する。

 こうした経緯から、両社は新ツールの選定に着手。グンゼでは、「コア技術強化」「業務効率向上」「情報活用向上」に向けた機能とコストの観点から実環境で製品を評価したという。

 またケイミューでは20年4月のNotesの運用停止が迫る中、掲示板の迅速な移行を最優先にコストやメンテナンス性、さらに人事システムとの組織や人の情報の連携性などの要件も加味して作業を進めていった。

新旧システムを共存、4年がかりで品質管理を徹底したグンゼ

 結果として両社はリプレース先として「ArielAirOne(以下、Ariel)」のクラウド導入を果たすのだが、背景の違いから、グンゼとケイミューのリプレース方法は当然、異なるものになっている。

 まずグンゼでは、最初の1年で業務上必須の基本機能を実装し、残る機能をシステム全体の高品質化や最適化に向け3年がかりで整備した。そこでのポイントとして鶴海氏が挙げるのが次の5つだ。

 1つ目は、プロジェクト計画段階でのマスタースケジュールの作成による、全体で実施する内容と検討項目の洗い出し。

 2つ目が、要件定義段階での検討項目ごとの課題の深堀りだ。この2つを通じて、課題への漏れのない対応による手戻りの削減を図った。

 3つ目は、クラウド利用を前提とした設計だ。ここでは、利便性とセキュリティの両面からログイン認証の流れを整理し、スマートデバイスとPC双方での不備を、フロー図を基に確認することで、セキュリティの穴をつぶしていった。

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IPアドレスやクッキー、SAMLによるシングルサインオンなどの技術を組み合わせることで利便性とセキュリティの両立が図られた

 4つ目は、成果物の検証だ。導入過程で不具合項目を抽出し、対応策と担当を明確にした上で優先順位を付け、納期・品質管理を徹底したという。

 5つ目は、4年がかりの整備を考慮した新旧グループウェアの併存である。具体的には、Notes同様、各文書をリンクと紐づける仕組みを新システムでも採用し、移行中での現場の混乱を回避した。

【次ページ】PMへの権限付与で意思決定早期化、短期構築のケイミュー

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