• 2011/06/30 掲載

グローバル時代におけるR&D環境へのニーズとシーズ、設計・開発・解析をつないでイノベーションを起こす

クラウドを活用したCAD/CAE開発

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グローバル化の波は、いまや製造から設計、解析業務にまで押し寄せている。グローバル時代のものづくりでは、次世代R&D環境のニーズ/シーズを汲んだPLMソフトウェアを用いて、設計・開発・解析をスムーズにつなぐアプローチが求められるという。ここでは6月7日に行われた「グローバルR&D環境イノベーションセミナー~解析における次世代IT環境~」で紹介されたR&Dの最新動向、クラウドを活用したCAD/CAE開発など、具体的なソリューションについて紹介する。

次世代R&D環境へのニーズとシーズ

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日本ヒューレット・パッカード株式会社
エンタープライズサービス事業統括
アプリケーションサービス統括本部
アプリケーションデベロップメント本部
シニアコンサルタント
吉見 隆洋氏
 6月7日、六本木アカデミーヒルズ40において、解析・設計・品質管理に携わる担当などを対象とする「グローバルR&D環境イノベーションセミナー~解析における次世代IT環境~」が開催された。

 同講演ではまず、日本ヒューレット・パッカードの吉見隆洋氏が登壇し、「R&Dにおける次世代IT環境への取り組み~ニーズとシーズを踏まえた枠組み~」をテーマに、R&DとPLMツールの動向を俯瞰した。

 吉見氏によれば、次世代R&D環境へのニーズ/シーズは、「社外コラボレーション基盤の整備」「社内ITの統合と整備」「社内コラボレーションの更なる促進」という観点から考えられるという。

 まず、メーカー・サプライヤーの協調により、魅力的な商品を加速させるには、社外コラボレーション基盤の整備が急務となる。また社内には、R&D部門のほかに、企業全体のIT基盤の枠に収まらない“シャドウIT”の存在もあり、それらの運用・維持・管理に人的リソースが割かれるケースも多い。

 そこでシステムの統合、次世代データセンターへの集約、最適な仮想化ソフトウェア活用によって、これらを企業全体のIT環境に内包していく必要がある。吉見氏は、社内コラボレーションのさらなる促進のために「定量的・定性的な側面からも改善を図る必要がある」として、成果を見える化する必要性を訴えた。

 ではR&Dの次世代IT環境として、どのようなソリューションが推奨されるのだろう? 本セミナーでフォーカスされたのは、HPの「PLM ECO-System」、シーメンスの「Teamcenter/NX via RGS as a Private Cloud」、「NX Nastran & High Performance Computing Infrastructure」、「Teamcenter for Simulation」、「Teamcenter Mobility」という5つの製品/技術だ。吉見氏はこの中から、現在HPが開発中のPLM ECO-Systemについて紹介した。

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インフラとアプリケーションを横断した統合
 まず前提として、OEMベンダーや外部協力会社など、小規模から大規模までの各階層によって、必要なPLM基盤は異なる。そのため、PLM ECO-Systemでは、各階層に最適化されたPLMソリューションを提供し、基盤の構築期間を短縮したり、実装コストを低減するというコンセプトを持つ。

 たとえば大規模なサプライヤー向けには、従来通りのITインフラ・ITアウトソース・アプリケーションをプロジェクトで提供する「PLM Project」があり、これでプラットフォームのシンプル化が図れる。また中間層のサプライチェーン向けには、OEMが推奨するハード・ソフト・サービスをパッケージで提供することで、迅速かつ検証されたデータで一貫性を保てる「PLM Quickstart Platform」を準備している。

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HPプラットフォームとの対応
 さらに標準部品をつくる小規模なサプライヤーに対しては、「PLM Quickstart Cloud」によって、プライベートクラウドの中でユーティティサービスが受けられるような環境基盤づくりを推進し、多数のチームやサプライチェーン間の協調に貢献するという。

 吉見氏は、PLM ECO-Systemを利用して、インフラとアププリケーションを横断した統合を考えるケースを紹介。「さまざまなシーメンスPLMソフトウェアに加え、マイクロソフトのアプリケーションプラットフォーム、HPのインフラ、統合化された仮想化と管理の仕組みが必要になり、これら4つのコンポーネントをうまく使うことが重要だ」と説明した。

【次ページ】プライベートクラウドを活用したCAD/CAE環境

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