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  • 2013/03/21 掲載

ゼンショー HD 野々下信也 執行役員が語る、外食トップへの急成長を支えたグループIT戦略

成功のポイントはスパイラルモデル

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牛丼チェーンのすき家などを展開するゼンショーホールディングス。2011年には日本マクドナルドを抜き、外食産業として国内トップの売上高を記録した。この躍進を支えているのがM&Aの積極的な推進だ。吸収した企業にはココスやなか卯なども含まれ、2012年3月期の連結売上高は4,000億円と5年間で2倍以上に成長し、今やグループ傘下の店舗数は4313店舗にのぼる。同社が急成長を遂げた背景には、競合他社との差別化を目指し、環境変化に柔軟に対応していくためのグループIT戦略があった。

M&A推進の一方で、類似システムが乱立する状況に

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ゼンショーホールディングス
執行役員
グループIT本部長
グローバルITサービス
代表取締役社長
野々下信也氏
 ゼンショーホールディングスのグループIT戦略立案への取り組みは、2007年に始まった。その指揮を執ったのが執行役員 グループIT本部で、グローバルITサービス 代表取締役社長の野々下信也氏で、同氏は2007年4月にゼンショーホールディングスに入社、3か月をかけてグループ全体のITの現状を調査し、7月にグループIT戦略を作成した。

 当時のグループITにおける課題は、M&Aを繰り返してきたことで、すき家やココスといった業態ごとにPOSシステムを持ち、またバックヤード側の発注管理や物流管理、あるいは人事/給与、経理といったシステムも別々に存在していたことだ。ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット 2013で登壇した野々下氏は次のように語る。

「バックヤードの本部/物流/工場系と経理系のシステムについては、すべて同じシステムでいけるのではないかと考え、これらを統合化し、効率化を図ることを目指した。いわゆる基幹システムに相当するもので、原材料の調達から製造、物流、販売までを一貫して管理するためのるMMD(マス・マーチャンダイジング)システムだ。一方、店舗系のPOSシステムは業態によってオペレーションが若干異なるので、ファミリーレストラン系とファストフード系に分けて統合化を図ることにした。」(野々下氏)

 また自社の成長スピードに対応できる柔軟な拡張性と信頼性、パフォーマンスを兼ね備えていることも重要な要件で、さらに翌2008年はJ-SOX法が施行される年だったため、内部統制に基づくIT統制を意識しながらシステムを構築していく必要があった。

画像
2007年時点でのグループITの現状
(出典:ゼンショー)


 同社は当初、導入期間短縮のためにも、ERPパッケージを利用しようと考えていたという。

「私の入社前からERPの導入は検討されていたようだ。しかし競合他社との差別化を図るためのグループIT戦略を考えていく中で、ERPでは難しいと思った。経営トップの強い意志と、日々改善活動が活発に行われている現場の意向を十分にサポートするためには、次から次へとシステムを変化させていかなければならない。そうした環境にERPは恐らくフィットしないし、製品自体も高価なものだ。そこで求めるシステムを自社で開発していくことにした。」(野々下氏)

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