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  • 2015/04/14 掲載

社内データだけでは未来は見えない、第三者データ提供サービスの狙い

ウイングアーク1st 内野弘幸CEO 社長インタビュー

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データ活用が企業の競争力の源泉となってきた。「情報を戦略的に経営に活かして、はじめて企業はIT投資のリターンを得ることができる」と語るのは、ウイングアーク1st 代表取締役社長CEOの内野弘幸氏だ。2014年には第三者データの提供サービスを開始し、クラウド領域への取り組みにも注力する同社に、データ活用をビジネスに生かす手法や実践企業の事例などについて話を聞いた。
(聞き手は編集部 松尾慎司)

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ウイングアーク1st 代表取締役社長 内野 弘幸 氏

第三者データ活用サービスはCIOよりCMOにインパクト

──2014年度を振り返っていかがだったでしょうか。

内野氏:我々は、1stホールディングスだった時の2012年2月に東証二部に上場しましたが、約1年半後の2013年9月に非上場化をしました。その一番の理由は、“業態変革をしたい”という強い思いがあったからです。

 それというのも、上場企業は長期も意識しつつ、四半期という短期での売上確保も意識しなければなりません。しかし会社を変革するためには、中長期の目線で大胆に事業運営する必要がある。非上場化は、変革に向けた決断の1つだったということです。

 そしてその背景にあるのが、世の中のトレンドから見て、オンプレミスのビジネスは飛躍的な成長は見込めない、という現実です。現状、我々のビジネスの根幹を支えているのはソフトウェアのライセンスモデルで、直近の2014年は増収増益ではあるものの、現状は安定成長期といえます。

 これに対してクラウドは約300%の伸びを示しており、売上全体に対するインパクトはまだ小さいのですが、今後はこのクラウドベースでのサービス提供モデルにシフトしていくための変革が必要でした。

 したがって2014年は、その変革を起こすためのさまざまな布石を打ってきた年だと言えます。

──2014年12月には、政府や自治体のオープンデータや、民間企業の商用データを提供する第三者データ提供サービス「3rd Party Data Gallery」を開始されましたが、これもその一環ということでしょうか。

内野氏:いま企業は自社内のデータだけを見ていても、将来を読むことができません。会社の中にあるのは主に取引結果のデータで、いわば過去の話だからです。企業にとって本当に必要なデータは、潜在的な見込み客など未来に関するもので、経営者はそれを知りたいはずなのです。

 そこで我々は企業外のデータを何かしらの形で提供できないかとずっと考えていたのですが、デジタルネットワーク時代になり、ネット経由で容易にデータを入手できる環境が整ってきました。そこで我々がデータを収集し、整備してご提供すべきだと考えて始めたのが3rd Party Data Galleryです。

 我々のミッションは、お客さまの情報活用を支援することで、これは創業当時からまったく変わっていません。そのミッションを、まさにクラウドベースで実現したのがこの取り組みだと言えます。

 米国ではいま、ITの予算がCIO(最高情報責任者)からCMO(最高マーケティング責任者)に移行しているというトレンドもあります。3rd Party Data GalleryはCIOよりもCMOにインパクトがあるサービスだと考えています。

 私はネットワークの中にある情報を戦略的に経営に活かして初めて、企業はIT投資のリターンを得ることができると考えています。ひょっとしたら、投資に対する何倍ものリターンを得ることができるかもしれない。それが情報活用の分野なのです。

【次ページ】情報活用でイノベーションを起こした物流サービス事業者

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