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  • 2018/08/17

サーバ安定運用のための更新管理術 更新プログラムの不具合にどう対処する?

連載:山市良のマイクロソフトEYE

毎月第二火曜日(日本ではその翌日の水曜日)は、Windows向けに新しい更新プログラムがリリースされる定例日です。最近、特にWindows 10において、更新プログラムの問題に起因するトラブルが目に付くようになったと思わないでしょうか。Windows 10の更新プログラムの問題は、Windows Server 2016以降にも影響します。今回はサーバの安定運用のための更新管理について取り上げます。

フリーライター 山市 良

フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

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Windows 10以降増える更新プログラムの不具合、サーバ安定運用のための更新管理方法は?
(©ribkhan - Fotolia)

システムの安定稼働を妨げるWindows Updateの不具合

 Windowsの更新プログラムが、特定のアプリケーションやハードウェア(ドライバーやファームウェア)との組み合わせで重大な問題(STOPエラーや機能不全など)を引き起こすことはこれまでもありました。Windowsはさまざまなハードウェアやアプリケーションとともに利用され、想定されるすべての環境でテストすることは不可能であるため、ある程度は仕方がないことです。

 しかし最近、特にWindows 10になってからは、品質更新プログラムのインストール後にWindowsの標準機能が正常に機能しなくなるような問題が目に付くようになりました。

 日本語環境では、日本語環境固有の問題(日本語が入力できない、フォントの問題、キーボード配列が変わってしまう問題など)が報告されたこともありました。問題が、業務で利用している機能に関わるものであれば、問題を回避するために、社員の業務がストップしてしまうことになります。システムの安定稼働を妨げる最も大きな原因は、Windows Updateの不具合だと言いたくなるくらいです。

 もし、現在、Windows Server 2012 R2以前のサーバを運用していて、新バージョンへの移行を検討中の場合は、Windows Server 2016の更新問題について調べてみるべきでしょう。筆者は、Windows Server 2016へ移行することによる最新機能のメリットなどは別として、現状の品質更新プログラムの品質を考えると、Windows Server 2016を積極的におすすめすることはできません。

品質更新プログラム自身の品質問題を事前に確認しよう

 Windows 10の品質更新プログラムの問題は、同じOSビルドのWindows Serverにも影響します。Windows Server 2016の場合、Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)と同じあり、以下のサポート情報で毎月の品質更新プログラムの既知の問題と、その回避策あるいは修正情報を確認することができます。

 なお、Windows 10バージョン1607の品質更新サポートは2018年4月に終了していますが、EnterpriseおよびEducationエディションに限り、6カ月の延長措置がとられており、2018年10月まで品質更新プログラムが提供されます。

 最新情報については、英語サイト(以下のURLの/ja-jpを/en-usに置き換える)で確認してください。新しい品質更新プログラムの情報や追加された既知の問題が日本語サイトに反映されるまでにはタイムラグがあります。

・Windows 10およびWindows Server 2016の更新履歴
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4000825/

 たとえば、2018年7月10日(米国時間)にリリースされた品質更新プログラムである累積更新プログラム「KB4338814」では、DHCPサーバの機能、特定環境でのSTOPエラー0xD1、SQL Serverサービスのネットワークエラー、IISのサービス停止に関する問題が既知の問題として確認され、翌週、7月16日(米国時間)の累積更新プログラム「KB4345418」で修正されました(画面1)。

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画面1■7月10日リリースの品質更新プログラム「KB4338814」の問題を修正する、品質更新プログラム「KB4345418」が翌週リリースされた

 また、7月の品質更新プログラムに含まれる.NET Frameworkの更新についても既知の問題が確認され、品質更新プログラム「7月30日(米国時間)の累積更新プログラム「KB4346877」で修正されました(その前の週にはセキュリティ修正を含まない、定例の累積更新プログラム「KB4338822」が既知の問題を含んだままリリースされました)。

マイクロソフトはリリース前のテストを省いているのか

 これらはいずれもWindows Server 2016の標準的なサーバ機能やアプリケーション実行環境に影響する重大な問題でした。結果として、2018年7月、Windows Server 2016向けには4回の累積更新プログラムが提供されています。いずれも、インストールを完了するためにはサーバの再起動が必要でした。

 このように、開発した更新プログラムは、マイクロソフト社内での十分な検証を経ることなく、一般にリリースされているのが実情です。

 これはマイクロソフトが品質管理を省いているというわけではなく、その良し悪しはともかく、Windowsの開発においても、クラウドアプリ的な開発スタイル(いわゆるRapid Application Development:RADと呼ばれるスタイル)を採用、移行したということです。重大な問題が確認されたら更新の配布を一時的にストップしたり、問題が修正されるまでの当面の回避策を示したりします。そして、多くの問題は次の、または将来の品質更新プログラムに含まれた形で提供されることになります。

【次ページ】 WSUSで対象を限定配布してテストする方法や、日単位で延期する方法とは?

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