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  • 2020/09/25

【図解】プロシューマーとは何か? 自ら製品開発して販売する消費者ビジネスの仕組み

変化の激しい昨今、企業は新しいビジネスモデルへの取り組みが求められている。そこで『この一冊で全部わかる ビジネスモデル』を上梓する根来 龍之氏、富樫 佳織氏、足代訓史氏の3氏に、今回は「プロシューマー」について解説してもらう。企業の製品開発に関与し、さらに自ら製品を販売する消費者と築くビジネスモデルを、良品計画やminneなどの事例をもとにひも解いてもらおう。

早稲田大学ビジネススクール 根来龍之、愛知淑徳大学 富樫佳織、拓殖大学 足代訓史

早稲田大学ビジネススクール 根来龍之、愛知淑徳大学 富樫佳織、拓殖大学 足代訓史

根来龍之(ねごろ・たつゆき)
早稲田大学ビジネススクール教授
京都大学文学部卒業(哲学科)。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。鉄鋼メーカー、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て、現職。早稲田大学IT戦略研究所所長。早稲田大学大学院経営管理研究科長、米カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、経営情報学会会長、エグゼクティブ・リーダーズフォーラム代表幹事、CRM協議会副理事長、国際CIO学会副会長(同学会誌編集長)などを歴任。主な著書・共著に『集中講義 デジタル戦略』、『プラットフォームの教科書』、『ビジネス思考実験』、『事業創造のロジック』(以上、日経BP)、『代替品の戦略』(東洋経済新報社)など。監訳書に、『対デジタル・ディスラプター戦略』、『DX実行戦略』(M・ウェイド他著)、『プラットフォーマー 勝者の法則』(B.レイエ他著)(以上、日本経済新聞出版)などがある。

富樫佳織(とがし・かおり)
愛知淑徳大学准教授
学習院大学法学部卒業。早稲田大学商学研究科修了(MBA)。NHK(日本放送協会)ディレクター、放送作家(フリーランス)、WOWOWでのプロデューサーを経て2017年から現職。放送局勤務時代に携わった主な番組は、『世界一受けたい授業』『世界遺産』『十八世中村勘三郎ドキュメンタリーシリーズ』『WOWOWオリジナルドキュメンタリーシリーズ ノンフィクションW』など。受賞歴に、高柳財団第41回科学放送高柳賞企画賞、第2回衛星放送協会オリジナル番組アワード中継番組部門最優秀番組、WOWOWで放送された『Blueman Group Connect to Japan』で第40回国際エミー賞アート番組部門ファイナリスト等。著書に『やわらかロジカルな話し方』。メディア企業のデジタル戦略、ビジネスモデルとマーケティング戦略を研究分野としている。

足代訓史(あじろ・さとし)
拓殖大学商学部准教授
早稲田大学商学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得満期退学。日本総合研究所(研究員・経営コンサルタント)、早稲田大学商学学術院助教、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)アジア研究所客員准教授などを経て、現職。早稲田大学IT戦略研究所招聘研究員、企業家研究フォーラム幹事。専門は、競争戦略とイノベーション、アントレプレナーシップ(ビジネスモデル、プラットフォームビジネス、デジタル化)。企業の事業創造プロセスやデジタルビジネス分野の経営戦略についての研究を行っている。大手企業・スタートアップにおける社内研修講師もつとめる。主な著書(共著)に『1からのアントレプレナーシップ』(碩学舎)、『モバイルバリューの社会システム』(経済産業調査会)などがある。

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プロシューマーとは「プロデューサー」(Producer:生産者)と「コンシューマー」(Consumer:消費者)からなる造語だ

プロシューマーとは何か?

 プロシューマーとは、「プロデューサー」(Producer:生産者)と「コンシューマー」(Consumer:消費者)からなる造語です。未来学者のアルビン・トフラー(Alvin Toffler,1928-2016)は、1980年に著書『第三の波』(中央公論新社)の中で、生産と消費とを一体化する新しいタイプの生活者のことを「プロシューマー」と名付けました。

 特に近年、インターネットのインフラが整ったこともあり、消費者が企業に直接その声を伝えることや、消費者自身が自分の作品をインターネット上で販売することが可能となり、プロシューマーの存在が注目されています。なお、プロシューマーの参画によって製品開発や製品の改良がなされることを「ユーザーイノベーション」と呼びます。

●プロシューマーのキーポイント
  1. 企業の製品開発に関与したり、自ら製品を販売したりする消費者のこと
  2. プロシューマーが情報発信できるインフラやテーマを整えることが重要

 現代的なプロシューマーには、大きく以下の2タイプが存在します。

(1)企業の製品開発に関与する消費者

 消費者の価値観の多様化もあり、企業はユーザーニーズを正確に把握することが困難になりました。そこで、消費者に企業の製品開発に携わってもらうことで、その声を理解しようとする取り組みが広まっています。こういった取り組みは「消費者参加型製品開発」と呼ばれています。

 たとえば、丸井では「シューズラボプラス by 0101(マルイ)」というコミュニティサイトを運営することで、顧客の意見を活かしたプライベートブランドの靴の商品企画に取り組んでいます。

(2)自ら製品開発し、販売する消費者

 企業の製品開発に関与するのではなく、自ら製品・サービス開発を行い、それを自分の手で販売する取り組みが次々と生まれています。

 たとえば、スマートフォンのアプリは個人でも開発することができ、そしてApp StoreやGoogle Playで販売することが可能です。また、LINEのスタンプも個人による作成・販売が可能です。

事例1:良品計画

 「無印良品(MUJI)」を展開する良品計画では、2001年からインターネット上の顧客コミュニティを活用した消費者参加型製品開発に取り組んでいます。取り組みの中からは「体にフィットするソファ」や「持ち運びできるあかり」などのヒット商品も生まれています。

 現在も、同社のウェブサイト「IDEA PARK」を通じて消費者の声を拾い上げ、それらを活かした製品開発を行っています。2015年には、年間で4,600の商品のリクエストを消費者から集め、実際に約100の商品にその声を反映しています。アイデアを投稿した会員にはMUJI マイルを付与することで参加を促進し、顧客を商品作りに巻き込んでいます。

事例2:minne

 GMOペパボが展開する「minne」は、ハンドメイド・手作り・クラフト作品の販売・購入ができる日本最大級のウェブサービスです。同サイトでは、消費者が自ら制作したハンドメイド作品やリメイク作品を販売し、収益を上げることができます。

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 たとえば同サイトでは、個人が手作り・リメイクしたアクセサリーや、インテリア、アート作品、作品制作のための素材などが販売されており、人気作家ともなると月に数十万の収入を得ることができます。同社は消費者間の売買代金から手数料収入(販売代金の10%)を得ています。

【次ページ】プロシューマーの成立条件

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