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  • 2021/09/30

ライオンDX部門がフリーランスと手を組んだ。外部デジタル人材をどう活躍させているか (2/2)

新しい風を吹き込んでくれるフリーランス人材の良さ

 梁木氏の参画から約2年が経ち、チームメンバーも増えた。少数精鋭で進める中で黒川氏は、彼が参画したことに「メリットしか感じていない」という。

「社内メンバーだけで完結してしまうと、どうしても新しい技術の情報が更新されずに鮮度が落ちてしまう。梁木君は社外でも活動していることもあって感度が高く、持っている情報が常に新鮮です。先日も、新しく入社してくれたメンバーと梁木君の初ミーティングが終わった後、感嘆のため息をついて出てきたぐらいです。そこで教えてもらったのはたった2行のコードだったそうですが、それがとても革新的だったみたいで、興奮して話してくれました」(黒川氏)

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 さらに、次のように外部からの視点が入るメリットを語る。

「梁木君はニュートラルな視点で社内を見てくれるのがありがたいですね。当事者はその仕事に夢中なので、ムリ、ムダ、ムラがあることに気づいていないこともある。彼は『ここは自動化できます』『RPA(Robotic Process Automation)でいけるんじゃないですか』などとフラットに提案してくれる。ツール選定の際も、他部署のメンバーに説明できるようにロジックに選定、提案、説明をしてくれるのでとてもありがたい」(黒川氏)

 「フリーランスであることにこだわったわけではない」と黒川氏は言うが、結果的には外部ブレーンとしてうまく機能しているようだ。

「泥臭い業務も担えるか」で人材を見極める

 一方の梁木氏は、フリーランス側から見た、DX推進部参画のメリットを次のように語る。

「ベンチャーとお付き合いすることはあっても、ライオンのような事業会社に参画してデータ分析できる機会はなかなかありません。その点で、深くスケール感のあるデータをどんどん掘れるので、今は非常に楽しいです。とはいえ、社員として入社することも考えていません。ほかにもやりたいことはあり、起業する選択肢も考えています。だから、今の働き方はちょうど良いのです。価値を提供し、ひたすら与え続けることが私の存在価値。もしも居づらくなったら、辞めるだけです」(梁木氏)

 ライオンのようにうまく社内と調和できれば非常に心強い外部人材。梁木氏のほかにも、正社員を含めさまざまなデータ人材とのプロジェクトを進めてきた黒川氏に、人材登用の注意点を聞いた。

「データサイエンティストの中には、機械学習や予測モデルを作る華やかな部分ばかりをやりたがる方もいます。しかしそれだけでは、データの前処理の標準化、可視化など泥臭い部分を社内の人間が担うことになり、メンバー教育にもならない。そこを理解してくれる方でないと、折り合いがつかないかもしれません」(黒川氏)

 また、受け入れ側の姿勢として、環境整備以上に重要なことがあると語る。

「データサイエンティストの方は面白い課題を用意しないとすぐに去ってしまいます。そのため、環境を整えつつも面白い課題を提供し続けることが私の役割です。面白い課題を提供できるサイクルに入りさえすれば、もう私が何もせずとも自走して動いて仕上げてくれる。今の関係性で、デメリットに感じていることは何もありません」(黒川氏)

 フリーランス人材を社内のメンバーと同等の扱いで新規事業に登用することは、特に大手企業にとっては、最初はハードルが高いことかもしれない。しかし一度環境を整えられれば、専門的な知見とスキルを得られ、また組織のフレキシビリティも高まるだろう。黒川氏と梁木氏の例がその好例であることは間違いない。

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