• 2023/01/03 掲載

米経済「軟着陸」に注目=インフレ動向がカギ―23年のFRB金融政策展望

時事通信社

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【ワシントン時事】2023年の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、インフレを抑制しつつ、ある程度の経済成長を維持する「ソフトランディング(軟着陸)」を実現できるかに注目が集まる。カギを握るのはインフレの動向だ。物価上昇圧力がなおも根強いなら、FRBは利上げを続けざるを得ず、景気の「谷」が一段と深まりかねない。

「インフレが高進し、利上げ継続の必要性が強まれば、軟着陸の道は狭まる。一方、インフレがより低下すれば、(軟着陸の)可能性は明らかに高まる」。パウエルFRB議長は昨年12月14日の記者会見で、このように強調した。

FRBは昨年、歴史的な高インフレを抑え込むため、計4.25%の大幅な利上げを断行。政策金利は今や「景気抑制的」な水準となった。FRBの政策運営は、急ピッチで進めた金融引き締めが経済やインフレに及ぼす影響を見極めつつ、利上げペースを調整する段階に入っている。

米消費者物価指数(CPI)上昇率は昨年6月、前年同月比で9.1%と、約40年半ぶりの高水準を記録。その後は低下基調をたどっているとはいえ、直近の11月でも7.1%と、物価安定には程遠い状況にある。

中古車などコロナ禍で大きく値上がりした物品の価格が下落する一方、サービス価格は引き続き上昇。サービス部門は労働集約型の業種が多く、人手不足に伴う賃金上昇に押し上げられている形だ。

11月まで3カ月の就業者数が月平均で約27万人増加するなど、積極的な利上げにもかかわらず、米雇用は好調を維持している。パウエル氏は「労働市場は極めて強い」と指摘。労働需給の不均衡が続く中、サービス価格低下には「相当時間がかかる」と、警戒を緩めていない。

FRBは昨年12月に公表した見通しで、政策金利を現在の年4.25~4.5%からさらに計0.75%引き上げ、年5~5.25%とする想定を示した。しかし、実際にどれくらいの利上げが必要かは「今後の指標次第」(パウエル氏)の側面が強い。ブラインダー元FRB副議長は政策金利について「インフレ率の低下を踏まえれば、5%を下回る水準にとどまる」と予想している。

【時事通信社】 〔写真説明〕ガソリンスタンドに掲げられた求人の看板。米国では深刻な人手不足が続く=2022年2月、カリフォルニア州モンテベロ(AFP時事)

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