- 2023/02/03 掲載
デンソー、今期営業益4200億円に減額 車減産と為替影響を反映
新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足の影響などにより、顧客のトヨタ自動車などの生産調整が響く。今期業績予想の下方修正は2度目だが、修正後の数値でも、過去最高(18年3月期の4126億円)を上回る。
今期の売上収益(売上高に相当)は12.4%増の6兆2000億円(従来予想6兆3100億円)、純利益も22%増の3220億円(同3780億円)にそれぞれ引き下げた。
今期業績予想の前提となる為替レートは1ドル=133.6円(従来134.5円)、1ユーロ=139.2円(同136.9円)、1中国元=19.7円(同19.9円)に見直した。
同社が想定していた今期の国内車両生産台数は751万台(従来は808万台)、海外での日系車両生産台数は1741万台(同1795万台)に、それぞれ減らした。
松井靖経営役員は会見で、昨年10月の4─9月期決算時点で下方修正した際は、車両生産台数が当初の予想から約12%下振れすることを織り込んでいたが、今回は14%とさらに2ポイントの下振れを反映したと説明。他の地域と比べて「比較的、収益力の高い中国と日本で販売台数が落ちる」と述べた。
一方、同社は昨年末、原材料やエネルギーの高騰などのコスト上昇分を取引価格に反映する協議を下請けの仕入先などと行わなかったとの指摘を公正取引委員会から受けた。松井氏は、すみずみまで協議が行き渡っていなかったとして「非常に痛恨の極み」とし、「より一層(仕入先に)寄り添い、業界全体を変えていく」と述べた。
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