- 2023/02/03 掲載
伊藤忠、4―12月期の純利益6822億円 一過性利益計上の前年同期上回る
[東京 3日 ロイター] - 伊藤忠商事が3日に発表した2022年4─12月期の連結純利益(国際会計基準)は前年同期比0.5%増の6822億円だった。1000億円超の一過性利益を計上した前年同期を上回り、同期間で過去最高を更新した。
資源高を受けて石炭などの資源分野が伸びたほか、北米の住宅建材や電力事業も堅調に推移した。自動車輸入販売のヤナセなど自動車関連事業のほか、日立建機の持分法適用を開始したことも利益を押し上げた。一方で、半導体不足が業績に影響した子会社伊藤忠テクノソリューションズ、インフレによる需要低迷や物流コストの増加が響いたドールを始めとする食料事業では計画を下回った。
鉢村剛・最高財務責任者(CFO)によると、中国国有複合会社の中国中信集団のCITICは極めて好調に推移しており、足元では今年度の業績計画を上回るという。同社はCITIC傘下企業に出資している。
第3・四半期までの進捗率は85%に上るが、23年3月通期の連結純利益は、従来予想の8000億円(前期比2.5%減)で据え置いた。鉢村CFOは「自動車など、保守的な見通しをしている分野が多い」といい、「景気の動向は日に日に悪くなっている分野もあり、北米事業については価格を非常に保守的に見ている部分もある」と述べた。不確実性に対するバッファーとしては、200億円が織り込まれているという。
同時に、追加の株式還元として250億円の自社株買いを発表した。1月末までに350億円の取得を終えており、年間合計で600億円となる。
(浦中美穂)
*決算や会見内容を追加しました。
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