- 2023/02/06 掲載
米産金ニューモント、豪ニュークレストに169億ドルの買収案提示
[メルボルン 6日 ロイター] - 米産金大手ニューモントは、 オーストラリアの同業ニュークレスト・マイニングに対して169億ドル相当の買収案を提示したことを明らかにした。一方、投資家やアナリストの間からは、提示額が低すぎるとの声も聞かれる。
ニュークレストは昨年12月、サンディープ・ビスワス最高経営責任者(CEO)の退任を発表。社内外で後任探しを続けている。金利は世界的に今年中にピークを付け、低下に転じると予想されており、金の先行きの価格にとっては追い風となる。
ニュークレストは当局への文書で、買収提案の内容を検討しているとした。関係筋によると、株主からは買収額引き上げを望む声が上がっているという。
ニュークレスト株は一時14.4%高の25.60豪ドルと、2022年5月以来の高値を付けた。これは買収提示額の1株当たり27.16ドルを下回っており、投資家が買収が成立するのか懐疑的に見ていることを示唆している。
ニュークレストの株主は、保有する株式1株につきニューモントの株式0.380株を受け取る。買収価格は、ニュークレストの直近の終値(22.450豪ドル)を約21%上回る。
これは対価が不十分だとしてニュークレストが拒否した従来の提案(保有株式1株当たりニューモント株0.363株)を4.7%引き上げた形だという。
モーニングスターのアナリスト、ジョン・ミルズ氏は、ニュークレストの価値を1株当たり31豪ドル程度と見ており、プレミアムの水準は通常の30%を下回っているとしている。
アルゴ・インベストメンツの上級投資役員アンディ・フォルスター氏は、ニュークレストの豪カディア金鉱や北米での事業拡大を考慮すると、この取引はニューモントにとって魅力的と話す。「ニュークレストは現在、トップの交代で揺れており、タイミングも良い」と指摘した。
*ニューモントが買収提案を確認したという部分を盛り込み情報を更新しました。
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