- 2023/02/07 掲載
NY市場サマリー(6日)ドル上げ拡大、利回り4週間ぶり高水準 株続落
<為替> ドルが上昇幅を拡大し、対ユーロで4週ぶりの高値を更新した。先週発表された1月米雇用統計が米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化観測を再燃させた。
ユーロは対ドルで0.6%下落し1.0724ドル。1月9日以来の低水準となった。
英ポンドは0.2%下落し、1カ月ぶりの安値となる1.20245ドルを付けた。トレーダーは10日の10─12月期国内総生産(GDP)発表や利上げペースに関するイングランド銀行(英中央銀行、BOE)政策委員の発言に注目している。
円は米ドルに対して1%以上下落した。日本経済新聞電子版は6日、政府が黒田東彦日銀総裁の後任として、雨宮正佳・日銀副総裁に就任を打診したと伝えた。
サクソバンクのストラテジストは、雨宮氏は「候補者の中で最もハト派的であり、新総裁の下で日銀の政策正常化が進むという期待に反する」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ変わらずの2万3015ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 指標10年債利回りが4週間ぶりの高水準を付けた。堅調な米雇用統計を受け、FRBによる利上げがあと1回以上残っているかもしれないとの見方が強まった。
米労働省が3日発表した1月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は51万7000人増加し、市場予想を上回る伸びとなった。失業率は3.4%と53年半超ぶりの低水準だった。
また、米供給管理協会(ISM)が3日発表した1月の非製造業総合指数(NMI)は55.2と、2022年12月の49.2から上昇した。
FHNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は「(ISMの)大きな回復は12月の弱さを巡る懸念の一部を取り除いた」一方、1月の雇用統計の「素晴らしい改善」が近いうちにインフレが確認されるとの見方につながったとした。
指標10年物利回りは一時3.644%と1月6日以来の高水準。2年債利回りも4.468%と1月6日以来の高水準を付けた。
2・10年債の利回り格差はマイナス82ベーシスポイント(bp)となった。
財務省は今週、960億ドルの入札を実施する見込み。7日に3年債(400億ドル)、8日に10年債(350億ドル)、9日に30年債(210億ドル)となっている。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 主要株式指数が続落して取引を終えた。FRBの利下げ開始時期が予想より遅れる可能性があるとの見方が重しとなった。
先週発表された1月のISM非製造業総合指数(NMI)や雇用統計が堅調だったことを受け、FRBのトーンに変化が見られるかどうか見極めようと、市場関係者はパウエル議長が7日に予定するインタビューなど週内の当局者発言に注目している。
イエレン米財務長官は6日、労働市場が力強さを維持する中、インフレは大幅に低下しているとし、米経済は景気後退(リセッション)を回避できるとの考えを示した。
2022年に大きく下落した米国株は今年に入り、FRBが積極的な利上げを鈍化させるとの期待が一時高まったことから大型成長株主導で力強い回復を見せた。
短期金融市場はフェデラル・ファンド(FF)金利が7月までに5.1%でピークに達するとの見方を織り込み、大半のFRB当局者がこれまでに示した見解に沿った水準となっている。
個別銘柄では食肉加工大手タイソン・フーズが4.6%安。四半期の売上高と利益が市場予想を下回った。
産金大手ニューモントも4.5%下落。オーストラリアの同業ニュークレスト・マイニングに169億ドル相当の買収案を提示したことを明らかにした。
一方、テスラは2.5%高。同社の株式非公開化計画を巡る集団訴訟で、陪審団は3日、同社とイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に法的な責任はないとする評決を下した。
取引終盤にはミーム(流行)株への買いが加速し、AMCエンターテインメントが11.8%、ゲームストップが7.2%、それぞれ上昇した。
米上場の中国株が売られ、?多多(ピンドゥオドゥオ)は1.9%安。米軍が4日に中国の偵察気球を東部サウスカロライナ州沖で撃墜したことを受け、地政学的緊張への懸念が高まった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 安値拾いの買いに4営業日ぶりに反発した。4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比2.90ドル(0.15%)高の1オンス=1879.50ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中国の経済回復に伴うエネルギー需要増加への期待感が高まり、4営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTI中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.72ドル(0.98%)高の1バレル=74.11ドルだった。4月物は0.73ドル高の74.47ドル。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は5日、中国が厳格な「ゼロコロナ」政策を解除したことにより、同国の経済回復に伴うエネルギー需要増加が見込まれると指摘。これを受けて、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が昨年に決定した減産方針を見直す必要もあると語った。年内の需要増加分のうち、中国が5割以上占めると観測される中、買いが優勢となった。また、この日にトルコ南東部で大地震が発生し、同国内の貯油施設が8日まで停止すると報じられ、供給逼迫(ひっぱく)懸念が強まったことも相場を支えた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY午後4時 132.62/132.63
始値 132.07
高値 132.90
安値 131.93
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0727/1.0731
始値 1.0764
高値 1.0782
安値 1.0710
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時32分 105*25.50 3.6777%
前営業日終値 106*24.00 3.6270%
10年債(指標銘柄) 16時31分 103*28.50 3.6474%
前営業日終値 104*27.50 3.5320%
5年債(指標銘柄) 16時31分 98*15.75 3.8353%
前営業日終値 99*08.00 3.6660%
2年債(指標銘柄) 16時32分 99*10.75 4.4787%
前営業日終値 99*21.38 4.3010%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33891.02 -34.99 -0.10
前営業日終値 33926.01
ナスダック総合 11887.45 -119.51 -1.00
前営業日終値 12006.96
S&P総合500種 4111.08 -25.40 -0.61
前営業日終値 4136.48
COMEX金 4月限 1879.5 +2.9
前営業日終値 1876.6
COMEX銀 3月限 2223.7 ‐16.8
前営業日終値 2240.5
北海ブレント 4月限 80.99 +1.05
前営業日終値 79.94
米WTI先物 3月限 74.11 +0.72
前営業日終値 73.39
CRB商品指数 266.2147 +0.0207
前営業日終値 266.1940
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