- 2023/02/28 掲載
米国株式市場=小反発、安値拾いの買いで
[27日 ロイター] - 米国株式市場は小反発。前週の急落を受け、安値拾いの買いが入った。ただ、今後の利上げの幅や継続期間に関する根強い懸念が株価の上値を抑えた。
主要株価指数は取引開始直後に1%超上昇したが、その後は一貫して上げ幅を縮めた。米国債利回りの上昇が一服したことが当初好感されたが、じりじりと利回り水準が切り上がったのに伴い株価の上値も限定的となった。
カーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は、先週に主要株価指数が週間で今年最大の下げを記録し、S&P総合500種が12月以来の3週続落となったことから、「少し上昇したのは歓迎すべき変化だが、市場参加者は実際、連邦準備理事会(FRB)が高金利をいつまで維持するのか、次回会合で本当に50ベーシスポイント(bp)の利上げを行うのかを見極めようとしている」と指摘した。
「かなりの不透明感が生じている。不透明感がある時は売りや変動率を伴うことをこれまでの目の当たりにしてきた」と述べた。
英銀ナットウエストは、FRBが3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を50bpに拡大すると予想。バークレイズもインフレ圧力の持続などに加え、3月のFOMC前に発表される米雇用統計が力強い内容だった場合、来月50bpの利上げを決定する可能性が高いとの見方を示した。
FRBのジェファーソン理事は27日、インフレ率を2%の目標に簡単に戻せるという「幻想は持っていない」と指摘し、必要なだけ制約的な金融政策を維持する決意があると述べた。
一方、米商務省が発表した1月の耐久財受注統計では、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注は前月比0.8%増と、増加に転じ、市場予想も上回った。
米国債利回りの低下を背景にグロース(成長)株は持ち直した。
電気自動車(EV)テスラは大幅高。同社はドイツのベルリン郊外の工場の生産台数が週4000台となり、ロイターが確認した目標を3週間前倒して達成したことを明らかにした。
製薬シージェンは10.40%急騰。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ファイザーがシージェン買収に向け初期段階の協議を行っていると報じた。ファイザーは2.32%安。
鉄道大手の米ユニオン・パシフィックは10.09%上昇。ヘッジ・ファンドのソロバン・キャピタル・パートナーズから辞任圧力にさらされていたランス・フリッツ最高経営責任者(CEO)が退任を表明した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.69対1の比率で上回った。ナスダックでも1.41対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は98億9000万株。直近20営業日の平均は107億2000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32889.09 +72.17 +0.22 32906.16 33189.28 32814.18
前営業日終値 32816.92
ナスダック総合 11466.98 +72.04 +0.63 11517.19 11565.23 11444.60
前営業日終値 11394.94
S&P総合500種 3982.24 +12.20 +0.31 3992.36 4018.05 3973.55
前営業日終値 3970.04
ダウ輸送株20種 14824.68 +195.67 +1.34
ダウ公共株15種 922.51 -5.93 -0.64
フィラデルフィア半導体 2951.21 +16.09 +0.55
VIX指数 20.95 -0.72 -3.32
S&P一般消費財 1130.63 +13.16 +1.18
S&P素材 512.51 +1.18 +0.23
S&P工業 854.04 +7.05 +0.83
S&P主要消費財 757.41 -1.40 -0.18
S&P金融 592.03 -0.35 -0.06
S&P不動産 239.86 +0.35 +0.15
S&Pエネルギー 647.35 +2.03 +0.31
S&Pヘルスケア 1491.02 -4.62 -0.31
S&P通信サービス 173.11 +0.72 +0.42
S&P情報技術 2384.73 +12.36 +0.52
S&P公益事業 334.59 -2.58 -0.77
NYSE出来高 8.78億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27535 + 125 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 27535 + 125 大阪比
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