- 2023/03/03 掲載
人民銀、金融政策を適宜調整へ 預金準備率「有効な景気支援手段」
[北京 3日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の高官は3日、金融政策を適宜調整する方針を示すとともに、銀行の預金準備率(RRR)引き下げは依然として景気支援の有効な手段になると述べた。
易綱総裁は記者会見で金利やRRRを引き下げる可能性を問われたのに対し、国内の実質金利は現在、適切な水準にあると回答。
人民銀は2018年以降にRRRを14回引き下げ、15%近い水準から8%未満に下げたとし、長期流動性を提供して実体経済を支える上で依然「有効な方法」だと述べた。
人民銀は22年12月、同年2回目となるRRR引き下げを実施し、約5000億元(723億9000万ドル)の長期流動性を供給した。
易総裁は「人民銀は安定的で健全な経済発展のために強力な金融支援を提供する」とし、今年は構造的金融政策の焦点をグリーンファイナンス、技術革新、インフラ、住宅の分野に置くと述べた。
合理的に潤沢な流動性を維持し、システミックリスクを防ぐための最低ラインを守るとも表明した。
今年の人民元相場については「基本的に安定」させると表明し、変動は市場主導になるとした。
また、国際的なマクロ政策のコミュニケーションと調整を強化する方針を示すとともに、一部の国が直面している債務問題への対処で役割を果たすと述べた。
同席した潘功勝副総裁は、国内不動産業界のバブルは抑制されていると指摘。不動産部門の変革を推進し、住宅は投機のためでなく居住のためという立場を堅持すると述べた。
潘氏は、信頼感の改善で不動産取引が増えており、特に質の高いデベロッパーは財務環境が大幅に改善しているとも発言。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの度合いが緩和する中、米中の金利差は今後も安定して推移するか、縮小するとの見方も示した。
劉国強副総裁は今年のインフレ率について、経済の再加速にもかかわらず、緩やかで抑制された状態を保つとの見方を示した。ただ「長期的に見ると外部環境には予測不可能なことが依然として多い」とし、引き続きインフレリスクを警戒すると述べた。
劉氏は、人民銀行が重要産業への長期的な支援を目指す中、構造的な政策手段を評価していくと述べた。人民銀行は20年以降、再貸出・再割引制度や他の低コスト融資など政策手段を拡充している。
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