- 2023/03/03 掲載
中国投資家の株式売買、全人代前に過去最高ペース 強い不透明感
通常、全人代の前には景気刺激策への期待から株価が上昇するため、このように活発な売買は珍しいという。
地政学リスクや経済政策、規制を巡る投資家の懸念がある中、今回の全人代では、過去10年で最も大規模な政府主要ポストの交代が正式に承認され、習近平国家主席の権力基盤が一層強化される見込みだ。
アナリストは、ゼロコロナ政策解除を受けた企業収益の回復が今後数カ月は市場を押し上げると指摘する。
だが、証券会社によると、中国株のベンチマーク指数が停滞する中、中国株のセクター・ローテーションの速度を示す指標は過去最高水準にある。これは、株式投資家が方向感がなく、上昇が持続しないことを示している。
上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数はゼロコロナ解除後の3カ月で15.6%急上昇した後、先月は2%下落した。
資金運用会社の調査担当者は「市場参加者はコンセンサスを形成していないため、特定のセクターや銘柄の上昇は1日か2日しか続かないかもしれない」と指摘した。
ある個人投資家は、米マイクロソフトが出資する新興企業の自動応答ソフト「チャットGPT」の成功を受けた人工知能(AI)知能関連株の熱狂的な取引で利益を得た後、1週間は取引をしなかったとし、「市場の明確なトレンドが見えないときは、休んでオンラインゲームをする方がいい」と語った。
中国では旧正月連休の前年差を平準化するために1月と2月の経済指標をまとめて発表する傾向があり、指標から手がかりを得るのが遅れるにも方向感を欠く一因だ。
光大証券によると、中国のセクターごとの勝ち組と負け組はここ数カ月で定期的に変化しており、ホットな市場に短期的に賭ける投資家にとっては難しい状況となっている。
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